モスの日(3.12)

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モスの日(3.12)

1972年(昭和47)3月12日、東武東上線の成増駅前にモスバーガーの実験店がオープンしました。それを記念して3月12日は「モスの日」です。(この店が同年6月21日に第一号店としてスタートする)

創業者は日興證券に勤めていた、櫻田慧・吉野祥・渡邊和男の3人で、先輩格の櫻田が社長になります。彼らは会社を「脱サラ」して食品を扱うための会社「MOS」を作り、取り扱い商品の検討をしていた最中にマクドナルドが日本に上陸(1971年7月20日)。櫻田はアメリカでおいしいハンバーガーを食べた記憶があったので、これだと直感。自分たちもハンバーガーを扱うことにしたのです。

なおMOSの語源は Mountain, Ocean, Sun で、自然の恵みにあふれた食材を使おうというところから来ています。The MOSt delicious hamburger. というのは俗説。会社を作った時はまだハンバーガーを扱うとは決まっていませんでした(会社の正式な設立登記自体は成増店のオープン後)。また創業者3人の頭文字というのも俗説。3人の名前をどういじってもMOSにはなってくれません。

創業者の三人は理想には燃えていたものの何しろお金がありません。そこで、成増などという、中心部から外れた場所を選び(マクドナルドの方は創業者の藤田田が「ショックを与えるべきだ」ということにこだわって銀座に第一号店を出した)、更に八百屋さんの狭い倉庫を借りてスタートしました。しかもこの八百屋さんが、なかなか貸してくれず、ハンバーガー用の野菜をこの八百屋さんから買うことにしたのに加えて、吉野が八百屋さんの店先で客の呼び込みまで手伝ったりしてご機嫌をとって、やっとOKをもらったものです。

しかしその小さな2.8坪の小さな店は幸いにも好評で、彼らは人を増やし店を増やし、翌年11月にはフランチャイズの展開も始めました。初期のヒット作はマクドナルドではあり得なかったメニュー「てりやきバーガー」でした。後に社長を務めた清水孝夫はやはり日興證券出身で先輩達の成功に刺激されて1976年頃に最初フランチャイズ契約して巣鴨店のオーナーになったものの、後に乞われて本部入りしています。ハンバーガー・チェーンはフランチャイズ展開が店舗の大半を占める訳ですが、モスのフランチャイズ契約は審査が非常に厳しく、MOSの理想と合わない人とは契約しないというので有名でした。その中でも清水などは特に創業者グループに感銘を与えるものがあったのでしょう。

マクドナルドとモスバーガーというのはこの1972年頃から現在に至るまで様々な点で比較されてきています。国際的な大資本と国内の中堅資本という差は置いておいても、マクドナルドが少数のメニューに限定し、スタッフもマニュアル式の教育をしているのに対して、モスはメニュー展開が豊富でレストラン的な教育をしています。またマクドナルドでは作り置き方式(Inventory Order)を主とするのに対してモスバーガーは原則として注文を受けてから作り始めます(Make to Order)。(*1)そのためモスバーガーはファーストフードからは少し外れており、ファーストフードとファミレスの中間形態の営業ともいえます。そしてハンバーガー自体にしても、マクドナルドが安さで勝負しているのに対してモスバーガーは味で勝負しています。

(*1)マクドナルドも客があまり来ない時間帯には注文を受けてから作る。

ですから、ハンバーガーショップのランキングなどが話題になる時もしばしばモスは「別格」としてランキング外にされます。(フレッシュネスは更に別格)

マクドナルドの激安ハンバーガーに刺激されてモスも一時期安いハンバーガーを展開しましたが失敗でした。逆にモスの高級ハンバーガー「匠」に刺激されてマクドナルドも高級ハンバーガーを試みましたが失敗しました。各々の良さがあるわけですから、各々自分の道を進むべきでしょう。

モスも創業者の櫻田慧氏が亡くなった直後は経営方針にブレや乱れがありましたが、現在は慧氏の甥の厚氏の指揮のもとで、よりおいしいハンバーガーと、より快適な店舗環境作りを進めていこうとしているかのようで、ますます「脱ファーストフード」になっていく方向のようです。


(2004-03-12)

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