電池の日(11.11)

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電池の日(11.11)

11月11日は「十一」を電池のプラス・マイナスに見立てて、電池の日です。人類が「火」を使うことを覚えたのは150万年前ともいわれますが、その火は最初は落雷で発生した山火事から得たのではないかとも言われています。その雷の正体が「静電気」などの形で知られていた電気であることを明らかにしたのは、アメリカ独立宣言の起草者のひとりとしても有名なBenjamin Franklin(1706-90)でした。

生物学者のLuigi Galvani(1737-1798)はカエルを使って筋肉を動かす仕組みを研究していて、金属板の上に載せたカエルの脊髄を刺激するとカエルの脚が動くことを発見。当時一般に言われていた動物の神経には電気が流れているという説を実験的に証明したと発表しました。

この実験の誤りに気づいたのがAlessandro Volta(1745-1827) でした。彼はガルヴァーニの実験で重要なのは、カエルの体液に金属板が触れたことであり電気は元からカエルが持っているものではなく、この接触によって生まれたものであると考えました。そこで彼はカエルの体液から出発して、このような、電気を生み出す液体や金属の組み合わせを調べていった結果、亜鉛と錫の板を塩水に付けると大きな電気が発生することを見いだします。そして彼は塩水で湿らせた紙を金属板の間にはさみ、それを何重にも重ねることによってとても大きな電圧の電気を生み出すことに成功しました(1800年)。彼はこれを「ガルヴァーニ電池」と呼びましたが、現代では「ヴォルタ電池」と呼ばれています。

一方電池と並ぶ大きな電気供給源である「発電機」については日本の平賀源内が「エレキテル」を作ったのが1776年。しかしこれではあまり大きな電気を作ることはできませんでした。1832年になるとフランスのピクシーがコイルの中で磁石を回転させる手回し式の直流発電機を発明。かなり大きな電気を簡単に取り出せるようになりますが、それでも回し続けるのはなかなか辛い。そして1840年にイギリスのWilliam George Armstrongが水力発電機を発明。彼は明治維新の頃に活躍した「アームストロング砲」の発明者でもあります。一方火力発電の技術を開発したのはエジソンでした。彼は1882年に社内に設置した数千個の白熱電球に電力を供給するための火力発電所を建設しています。街全体に電力を供給するような巨大発電所は1887年にロンドン電気供給社が建設したもので、その設計者は16歳の時に独自の発電機の特許を取ったりしていた天才発明家Sebastian Ziani de Ferranti(1864〜1930)でした。当時電気は直流がいいか交流がいいかという大論争があっていたのですが、エジソンは直流派、フェランティは交流派でした。議論は数年間続きますが最終的に交流派の勝利となります。フェランティは初期のコンピュータ「Mark I」の開発者でもあります。

一方でボルタの電池の方も改良が進められていきます。ボルタの電池がすぐに電圧が下がってしまうのはふたつの極の間が絶縁されていないためということに気づいたイギリスのダニエルは1836年に両者を分離する方式を考案。ある程度の時間、電気を出し続ける電池ができました。1868年にフランスのルクランシェが考案した電池は極材料に亜鉛と二酸化マンガン、電解液に塩化アンモニウムを使用しており、これが現在のマンガン電池の原型といわれています。

1885年には屋井先蔵(1863-1927)が液体を使用しない「乾電池」を発明しました。しかし彼は特許料を払うお金がなかったため、特許出願では1888年のガスナーに先を越されてしまっています。単一・単二などの電池の規格を定めたのも屋井先蔵で、これがその後、世界規格として認められています。

電池のサイズは昔はパワーのある単一が使用される場面が多かったのですが、最近では持ち歩きできる機器で使用されるケースが多いため軽い電池が好まれる傾向があり、現在の主力は単三アルカリ乾電池(LR6)になっています。

マンガン電池・アルカリ電池というのは使用している溶液(乾電池の中では糊状になっている)の違いで、マンガン電池では塩化亜鉛または塩化アンモニウム、アルカリ電池では水酸化カリウムを使用しており、アルカリ電池はマンガン電池に比べて高いエネルギー密度を持ち長持ちするのでここ10年ほど急に安価になったこともあり、すっかりマンガン電池に取って代わってしまった感があります。アルカリ電池(Alkaline battery)を発明したのはアメリカのエバレディ社(現Energizer,1959)です。

また最近小型の電子機器では「ボタン型電池」と呼ばれる小さな電池を使用するものが増えています。これには基本的に3種類あり電池の種類の先頭文字で区別することができます。LRがアルカリ電池、SRが酸化銀電池、CRがリチウム電池です。このうち、アルカリ電池と酸化銀電池は番号が同じ物同士で互換性があり、例えばLR44用の機器にはSR44が使えますし、LR1120用の機器にはSR1120が使えます(むろん混ぜてはいけない)。パワーと安定性は酸化銀電池の方が高いです。但し値段も高いので頻繁に電池交換したくない物には酸化銀電池がお勧めです。

リチウム電池は高い電圧と容量の大きさが特徴で、高電圧が必要なデジカメ類、5年10年と交換無しで動いて欲しいパソコンの内蔵時計の電源などに使用されています。寒さにも強いので寒冷地用の用途もあります。

ということでこの続きは12月12日の「バッテリーの日」に。


(2005-11-10)

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