鏡餅は各部屋の一番尊い場所に置くことになっており、それぞれが神の寄代(よりしろ)です。
特に家の中で一番大事な部屋、普通は居間の一番大事な場所に飾るものが一番大きい鏡餅です。床の間のある家なら床の間、そうでない家では昔はテレビの上に置いていたのですが、最近の薄型テレビでは置けないので、どこか適当な場所を見付けましょう。この鏡餅は三宝(さんぽう)の上にのせ、のしいか、昆布、伊勢エビなどを添えます。むろん大きな神棚のある家ではそこに飾ることになります。
なお、トイレの神様は普段は目をつむっていて、年に1度お正月だけ目を開くのだそうです。ですから、トイレは普段あまり掃除していない人でも、正月前にはきちんと掃除をして、きれいにお飾りを飾ってあげたいものです。
鏡餅は11日頃に鏡開きをして、善哉や雑煮にして食べます。この鏡餅は包丁で切ってはならず、手や鎚で割って小さくするのがしきたりです。これは「切る」は縁起が悪いからということで、そのため「開く」ということばを使います。
パックに入った鏡餅の場合、昔はパックにそのまま餅が詰めてあったので、あとで溶かして出してしまうしかなく不便だったのですが、1993年11月にサトウが、開くとたくさんの袋いり小餅が出てくる、というユニークなものを発売しました。これは非常におもしろい発想だったと思います。近年ではこのタイプの鏡餅が他のメーカーからも発売されています。(写真は越後製菓の2008年版−金沢仕様です)