黒豆は既に煮てあるパック(フジッコのお豆さんなど)を買ってきて、そのまま皿に盛っちゃうという、とっても手抜きのやり方もありますが、訪問客が多い所や、都会に行っていた息子や娘が家族を連れて帰省するなどというところは、豆で買ってきて煮たほうがよいでしょう。
基本的には1昼夜水につけておいて、圧力鍋に掛け、弱火で10〜20分です。
普通の鍋で煮る場合は、下記のようにします。
しわにならないようにするには、水をこまめに足して、決して水面から豆が出ないようにするのがコツです。煮る時に、さびた釘を入れておくと色落ちしにくいという説もありますが、筆者はやったことがありません。
31日夜までに仕上がっているようにするには28日昼くらいから取りかからないといけないことになります。
関東と関西
関東風と関西風では、黒豆の煮方もけっこう違うようです。
味付けとして関東では濃ゆめ(甘め)、関西では薄味です。味付けは関東では途中で何度も砂糖を足していきますが、関西では最初から全部入れておきます。また関東ではびっくり水を差したりしてシワシワに仕上げますが、関西では煮汁を多くしてふっくらと仕上げます。昔は豆自体も、関東では扁平型のもの、関西では丸っこいものを使用していました。しかし近年では、その丸っこい黒豆の代表格ともいえる「丹波黒」が有名になり、関東でも広く使用されるようになりました。
黒豆とは
黒豆というのは早い話が「黒い大豆」です。黒大豆と書かれている場合もあります。基本的には栄養価も大豆とほぼ同じですが、黒い皮にはブルーベリーの成分としても有名なアントシアニンが含まれています。大豆イソフラボンの美容効果と共に、ヘルシーです。
黒豆の代表として近年とても評価の高い「丹波黒」は丹波地方原産の黒豆をもとに1941年に兵庫県農事試験場で開発された品種です。元々は丹波篠山の川北地方で栽培されていた「川北大豆」ですが、これを19世紀に当地の豪農・波部六兵衛と波部本次郎の親子が改良を加え、大きく立派な品種を作り出しました。これを波部黒といい、皇室にも献上されました。丹波黒はこの波部黒がベースになっています。
現在では、京都と兵庫にまたがる丹波地域でも盛んに生産されていますが、この豆の生産量の多いのは岡山県です。京都府の和知地方では、当地で生産される丹波黒に「和知黒」の名前をつけてブランド化を図っています。
丹波黒以外では、北海道産の「光黒」も有名です。丹波黒は表面に白い粉が吹き出しているのが特徴ですが、北海道産の光黒は表面が光っているのが特徴です。特に桧山地方で生産されている「晩成光黒」は粒が大きく立派な物です。
また関東で以前よく使用されていた扁平型の黒豆としては、岩手県や山形県などで生産されている「平黒」などがあります。