中秋の名月

↑


中秋の名月とは

陰暦で8月15日の月を「十五夜」「中秋の名月」などといいます。今年(2000年)は新暦9月12日にあたります。陰暦では1〜3月が春、4〜6月が夏、7〜9月が秋、10〜12月が冬です。そこで8月は秋の中の真ん中の月なので「中秋」と呼ばれるのです。

古来、日本人は月をめでて来ましたが、やはり満月が一番美しいものとされました。その中でも中秋のこの時期は空気が澄んでいて、最も美しい満月が見れるということで、平安時代初期に、この日月を見ながら宴会をする風習ができたのです。これは観月宴とか月の宴と呼ばれ、当時は月を見ながら即興で和歌を読み、その出来をみんなで評価しあって酒を飲んで楽しみました。

この行事が定着し始めると、月の見える所にすすきを飾り、月見団子、里芋、枝豆などを盛り、お神酒を供えるようになります。

名月の呼び名

中秋の名月は色々な名前で呼ばれました。

この日は月を見たい訳ですから天気が良いのが一番助かります。これは「良夜」と呼ばれました。また少し雲が出ていて、時々雲に隠れたりするのもなかなか風流です。しかし雲が厚くて完璧に見えない場合はどうしようもなく、これを「無月」、更に雨まで降っているのは「雨月」といって残念がり、そういう場合は十六夜(いざよい)、十七夜(たちまち)、などに期待を掛けました。

中秋の名月は満月ではない??

中秋の名月というのは、陰暦8月15日で、つまり新月から14日後をいうわけなのですが、新月から14日立っているからといって、必ずしも満月になるわけではありません。地球も太陽も楕円軌道を回転しているので必ずしも一定の速度で動くわけではなく、更には新月が夜中の0時ジャストに起きたのでも無い限り、その分のズレも生じる訳です。

ということで、今年は中秋の名月の9月12日の翌々日14日が満月になっています。

月見の基礎習俗

月見は中国の中秋節の影響で始まったものとされます。中国では月餅をこの日食べていたのですが、日本に来ると月見団子に変わってしまったようです。

しかし、この月見が民間に定着するにあたっては、やはりその基礎となる習俗がありました。これが初穂祭、つまり秋の収穫祭であるとされます。

春から手を掛けて育てた作物が秋には実り、人々に大事な食料をもたらしてくれます。日本人はこの自然の恵みに感謝してこの時期いろいろな祭を行いました。特にこの時期に多く祝われたのは里芋の収穫で、そのため、月見に里芋を供える風習ができ、この名月を「いも名月」とか「いものこ誕生」と呼ぶ地方もあります。

この日は盗み食いOK?

この芋名月の夜は昔は多くの地方で、人の畑に植わっている芋を勝手に取って食ってもいいという風習がありました。ただし幾らでも取っていいという訳ではなく、道から片足踏み込んだ所までとする、というお約束でした。これは「片足御免」という風習です。昔の日本というのは、このように特定の日にみんなで悪いことをすることを認めて、それによって各種のストレスを解放するという社会的な仕組みができていました。似たような風習はヨーロッパでも数十年前までは見られ、集団で牛を盗んでみたり馬車を木の上にあげてしまったり動物を袋叩きにしたり道行く人に泥を投げつけたり、などといったことをカーニバルの時などにやる風習がありました。現代はそういったストレス発散の機会が無いのが若者達にとっては不幸なことかも知れません。

↑


(C)copyright ffortune.net 1995-2016 produced by ffortune and Lumi.
お問い合わせはこちらから