聖マルタン(11.11)

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★今日の特集 聖人物語(4)聖マルタン

今日11月11日が聖マルタンの祝日です。そして、キリスト教圏の人たちは、 この祝日が来ると、クリスマス・シーズンが来つつあることを感じるのだそ うです。

もっとも、この日はすっきり英語で、セント・マーチンズ・デイ と言った 方がみなさんになじみがあるでしょう。このころから本格的な寒さが到来す るので、逆に Saint Martin's Summer というと日本語の『小春日和』に相当 するそうです。

マルタンはA.D.316年ハンガリーのサバリアで生まれ、北イタリアのパヴィア で育ちました。父親は皇帝騎兵隊の騎士隊長を務めており、マルタンも15歳 の時に皇帝騎兵隊に入隊しました。そしてフランスのアミアンに派遣されて 任務に励んでいたのですが、18歳の時に宿命的な出来事がありました。

マルタンは街頭で寒さにこごえる浮浪者を見て、ふと情け心が出て、彼に自 分の着ていた服を刀で二つに切り、その半分を掛けてあげました。

すると、その夜、彼の夢の中に天使に囲まれたキリストが現れたのですが、 そのキリストが夕方彼が浮浪者に与えた半分の服を着ていたのです。その時 彼はあの浮浪者がキリストの化身であったことに気づくのです。

彼はこれがきっかけで密かに洗礼を受け、キリスト教徒になりました。そし て、キリストの教えに従い、戦うことはできないと言い出しますが、そうい う彼をみんなは臆病者と笑いました。そしてアミアンの騎兵隊の隊長は彼を 最前線に送り出します。

すると、マルタンは武器を投げ捨て、頭上に十字架を掲げて、静かに敵に向 かって歩いて行きました。すると敵はみな武器を投げ捨て、マルタンの前に ひれふしたのです。それを見て、隊長もマルタンの除隊を認めました。

彼はその後、リギュジェにフランスで初めての修道院を設立、そしてやがて トゥールの司教となります。

マルタンについては動物絡みのエピソードがいくつか語られています。

ある時、一頭の牛が突然暴れ出して、人々を傷つけました。ちょうど近くに いたマルタンがその牛の方へ歩いていくと、牛もマルタンを見つけて突進し てきました。しかしマルタンが牛に向かって「止まりなさい」と言うと、そ の暴れていた牛がピタっと止まってしまったのです。そしてマルタンは牛を なでながら「悪霊よ去れ」と言います。そして軽く牛の背中を叩くと、牛は 何事もなかったかのように、おとなしく群に戻ったそうです。

またある時、マルタンは犬が野ウサギを追いかけているのを見かけました。
ウサギをあわれに思ったマルタンが犬に「やめなさい」と言うと、犬はピタ リと止まり、元来た方へ戻って行きました。

またある時、マルタンは蛇が川を渡ろうとしているのを見ました。その川は 真ん中付近の流れがはやいので、蛇はこのままだと流されてしまうと思いま した。そこでマルタンが蛇に向かって「戻っておいで」というと、蛇は川を 渡るのをやめて、こちらの岸に戻ってきたそうです。

こういったエピソードから、聖マルタンは牧畜の守護神として信仰されてい ます。また、騎士であったことから、軍神としても信仰されています。また 浮浪者にほどこしをしたことから、貧乏な人たちの守り神としても信仰され ています。また、自分の服を切り裂いて渡したことから、布織物の守護神と しても信仰されています。

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