集合

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集合 set

■集合 set

物の集まりを集合という。

あるものaが集合Sに属する時、a∈Sのように書く。

いくつかの要素、a,b,c,...,d から構成される集合を {a,b,c,...,d} のように表す。

ある条件を満たすものの集合を {x|その条件} のように表す。

次は集合の例である。

集合にはその要素が有限であるものと無限であるものがある。例えば地球を構成する原子の集合は非常にたくさんの要素を持つが有限である。それに対して{x|xは整数で 1≦x}は無限の要素を持つ、無限集合である。

{} はその集合になにも要素が存在しないことを表している。このような集合を空集合といい、φまたは0で表す。

■部分集合 subset

ふたつの集合S,Tがあって、Sの要素が全てTに属すとき、SはTの部分集合であるといい、S⊆Tで表す。

特に、S⊆TかつT⊆Sの時、ふたつの集合は等しいといい、S=Tと書く。

全ての空集合は互いに等しい。(従って空集合は1つしかないと考えてよい)

このことは集合論というものの抽象性をよく表している。例えば次の集合は等しいのである!!

S={x|xは日本人で16世紀から20世紀までの間にアメリカ大統領になった人}
T={x|xはメロンで、リンゴの種から育ったもの}

Sは人間の集合、Tは果物の集合であるのに、どちらも要素がない空集合であるから両者は等しいのである!!

このような現象は数学の世界では一般に「投影」と呼ばれる。

■集合の合併 union

 2つの集合S,Tがあった時、そのどちからに属する要素で構成される集合を、両者の合併といい、S∪Tで表す。

 例えば、S={1,2,3,4}, T={1,2,4,8} である時、S∪T={1,2,3,4,8} である。

■きちんと定義された集合 well-defined set

集合になっているように見えて、実はなっていないものがある。

例えば S={x|xはxに属さない} という「集合」を考える。するとこれはこの集合に属する条件が明示されているようで、実は曖昧なのである。その証拠に、このS自身がSに属するかどうかがはっきりしない。

実際問題として、SがSに属するなら、Sは「xはxに属さない」という条件を満たすから「SはSに属さない」となり矛盾である。

しかるに、SがSに属さないなら、Sは「xはxに属さない」という条件を満たしていることになり、Sに属すことになってしまう。

読者はこの矛盾(カントールのパラドックスと呼ばれている)がいわゆる「排中律」を使用せずに起きていることに注意してほしい。しばしばこの問題は排中律から起きていると誤解している人がいる。

要するにこれは「xはxに属さない」という言葉が、論理的に明確な言葉ではないことを示しているだけのことである。

基本的に集合というものを考える場合、その集合が「きちんと定義された」集合であるかどうかをしっかり考えておく必要がある。

通常、集合論では次のようなものを「きちんと定義された集合」と考える。

最後の2つは分かりづらい。正則性公理はいわゆる無限降下列 x1∋x2∋x3∋..... が存在しないことを言っている。逆に無限上昇列は存在する。実際、

0∈{0}∈{{0}}∈{{{0}}}∈{{{{0}}}}.....

選択性公理は有限集合については自明である。この公理の強力さは、これが無限集合についても成立することを言っていることである。有限集合なら、このような選択操作は実際に可能だが、無限集合では、実際に作業してみせることができない。しかしそういう集合は存在するのだということを、この公理は主張している。

これほど強力な公理を仮定してもこの集合論には矛盾が存在しない。そのことは最初の到達不能数εまでの超限帰納法によって、比較的簡単に証明することができる。

(その証明を見たい人は竹内外史「数学基礎論」を読むとよい)
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