sinwa(5)天岩戸

伊邪那岐神(いざなぎのかみ)がみそぎをして生れた三貴子について、伊邪那岐神は天照大神(あまてらすおおみかみ)には高天原(たかまがはら)を治めるよう、月読命(つくよみのみこと)には夜の世界を治めるよう、須佐之男命(すさのおのみこと)は海を治めるように指示しました。

しかし須佐之男命(すさのおのみこと)は泣いてばかりいて全く仕事をしません。伊邪那岐神(いざなぎのかみ)がどうしたのだと聞くと、自分は母(伊邪那美神(いざなみのかみ))のいる根の国に行きたいといいます。伊邪那岐神(いざなぎのかみ)が呆れて須佐之男命(すさのおのみこと)を海から追放すると、須佐之男命(すさのおのみこと)は姉に別れを告げてから根の国に行くと行って高天原(たかまがはら)におもむきます。

ところがこの時の須佐之男命(すさのおのみこと)の勢いが凄まじかったため、天照大神(あまてらすおおみかみ)須佐之男命(すさのおのみこと)高天原(たかまがはら)を乗っ取りに来たのかと思い、武装して待ち受け、須佐之男命(すさのおのみこと)に対峙して「何をしに来たのだ?」と問いただします。

これに対して須佐之男命(すさのおのみこと)は自分は単に別れを言いに来ただけで他意は無いといいます。しかし天照大神(あまてらすおおみかみ)が信用しないので、やがて子供をもうけてその証を立てましょうということになります。

そこで、須佐之男命(すさのおのみこと)の十拳剣(とつかのつるぎ)から宗像の三柱の女神(多紀理毘売命(たぎりびめのみこと), 市寸島比売命(いちきしまひめのみこと), 多岐都比売命(たぎつひめのみこと), 異説では田心姫神(たぎりひめのかみ), 湍津姫神(たぎつひめのかみ), 市杵島姫神(いちきしまひめのかみ))、天照大神(あまてらすおおみかみ)の玉の緒(たまのお)から天之忍穂耳神(あめのおしほみみのかみ)天之菩卑能神(あめのほひのかみ)天津日子根神(あまつひこねのかみ)活津日子根神(いくつひこねのかみ)熊野久須毘神(くまのくすびのかみ)の五柱の男神が生まれたため、須佐之男命はこの誓約(うけい)に勝ったことになり、高天原(たかまがはら)にしばらく滞在を許されます。

ところが、須佐之男命(すさのおのみこと)は元々荒っぽい神である為、高天原(たかまがはら)滞在中にたんぼの畦道は壊すわ、神殿に糞はするわ、乱暴な行ないを続けます。最初は天照大神(あまてらすおおみかみ)も弟のことだからいろいろとかばっていましたが、やがて天照大神(あまてらすおおみかみ)の配下の機織娘が須佐之男命(すさのおのみこと)が悪戯して馬を家の中に放り込んだのに驚き事故死するに至って、とうとう怒って天岩戸(あまのいわと)に引き籠もってしまいます。(※)

太陽神に隠れられてはたまりません。世の中真っ暗闇になってしまいました。そこで困った神々は一計を案じます。岩戸の前に八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)をさげ、八咫鏡(やたのかがみ)をぶらさげて、天宇受売神(あめのうづめのかみ)がその前で神懸かり状態になって踊りました。そして踊りながら乳房を露出し、更には裳の紐をゆるめて女陰までチラッと見せた時、居ならぶ神様からおもわず歓声が上がります。

その声を聞いた天照大神(あまてらすおおみかみ)は「いったい何事?」と少し岩戸を開けて様子を見ようとしました。すると踊っていた天宇受売神(あめのうづめのかみ)が「あなた様よりもっと尊い神様がいらっしゃったので喜んでいます」といいます。そして天児屋命(あめのこやねのみこと)布刀玉命(ふとだまのみこと)が鏡をそばに寄せますと、そこに映った自分の姿がちらりと見えます。むらむらと対抗心が湧いた天照大神は、そいつはどんな神なのか、もう少しよく見ようと岩戸をもう少し開けますと、そこで控えていた天手力男神(あめのたぢからおのかみ)がグイと天照大神の手を引いて岩戸から引出し、布刀玉命(ふとだまのみこと)(ふとだまのみこと)がサッとしめ縄を渡して中に戻れないようにしました。かくして高天原(たかまがはら)に光が戻ったのです。

天照大神(あまてらすおおみかみ)は現在伊勢の神宮(じんぐう)に祭られています。その時の八咫鏡(やたのかがみ)も天皇家の三種神器(さんしゅのじんぎ)の一つとして、そこに祭られています。八坂瓊曲玉(やさかにのまがたま)も同じく三種神器(さんしゅのじんぎ)のひとつとして皇居・剣璽の間に祭られています。

(※)しばしばここで死んだのは実は天照大神自身ではないかといわれます。岩戸に「隠れた」というのはまさに「お隠れになった」ということで、天宇受売神の踊りは太陽神を蘇生させるための儀式だったのではないかという説です。ここで天宇受売神自身も火の神あるいは太陽神ともいわれますが、生殖器を露出させることは、そこから同じ太陽神である天照大神を産み直すという意味合いがあったのです。




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