sinwa(7)大国主神と因幡の白兎

大国主神(おおくにぬしのかみ)は今日では「だいこく様」として親しまれています。

この神は多くの異名を持っています。特に有名なのが「大己貴神」(あるいは大穴牟遅神とも書く)というもので「おおなむぢのかみ」あるいは「おおあなむぢのかみ」と読みます。

大国主神(おおくにぬしのかみ)の異名として、古事記(こじき)はほかに八千矛神(やちほこのかみ)葦原色許男神(あしはらしこをのかみ)宇都志国玉神(うつしくにたまのかみ)日本書紀(にほんしょき)国作大己貴神(くにつくりおおあなむぢのかみ)葦原醜男(あしはらしこを)八千戈神(やちほこのかみ)大国玉神(おおくにたまのかみ)顕国玉神(うつしくにたまのかみ)大物主神(おおものぬしのかみ)といったものを上げています。

なお最後の大物主神(おおものぬしのかみ)というのは、単なる異名とは性格を異にしています。これについては少し先で述べます。

さて、この大己貴命(おおなむぢのみこと)大国主神(おおくにぬしのかみ))の若い頃の話です。

大己貴命(おおなむぢのみこと)には80人の兄弟がいました。ある時、この80人がみんなで因幡の八上姫(やがみひめ)に求婚しようと言って出掛けた時、大己貴命(おおなむぢのみこと)はみんなの荷物を持つ羽目になり、少しみんなからは遅れてふーふー言いながら付いて行っていました。

白兎海岸の淤岐島
ここに一匹の白兎(しろうさぎ)がいました。白兎(しろうさぎ)淤岐島(おきのしま)という島にいましたが、本土に渡ろうと思い、海のワニをだまして「自分の部族と君達の部族とどちらが人数が多いか比べてみたいから、ここから本土までずらっと並んでみてくれないか?」と言いました。ワニは承知し、仲間を呼んで来て並びます。

白兎(しろうさぎ)はそのワニたちの上を飛び歩きながら「1,2,...」と数えていきましたが、もうあと1歩で本土に降りるというときに「だましたんだよー」と言ってしまいます。するとその最後のワニが白兎(しろうさぎ)を捕まえて、皮をはいでしまいました。

そこへ大己貴命(おおなむぢのみこと)の兄弟たちが通り掛かりました。白兎(しろうさぎ)が泣いているのを見ると兄弟たちは「海に使って風に当っているといいよ」と言います。そこで白兎(しろうさぎ)がそうしますと、ますます傷が痛んでたまらなくなりました。

そこにやって来たのが大己貴命(おおなむぢのみこと)でした。大己貴命(おおなむぢのみこと)白兎(しろうさぎ)から事情を聞くと「河口に行って真水で体を洗い、蒲の花粉を撒いた上に寝転がりなさい」と教えます。白兎(しろうさぎ)がその通りにすると兎の体は元の通りになりました。

白兎(しろうさぎ)大己貴命(おおなむぢのみこと)に感謝して礼を述べるとともに「あなたの兄弟たちは八上姫(やがみひめ)の心を射落すことはできないでしょう。姫はあなたのものになります」と予言しました。そして八上姫はその予言通り、自分は大己貴命に嫁ぎたいと思うと明言したのです。

これを面白くなく思った大己貴命の兄弟たちは弟を殺そうとします。

まずは大己貴命(おおなむぢのみこと)に「今から猪を追って行くから、そちらで待ちかまえておいて捕まえてくれ」と言い、大きな石を真っ赤に焼いて転がします。その岩に当って大己貴命はあっけなく死んでしまいますが、大己貴命の母が神産巣日神(かみむすびのかみ)に願い出た結果、蚶貝姫(きさがいひめ)蛤貝姫(うむぎひめ)(※)が遣わされ、大己貴命はこの姫たちの治療で蘇生します。

(※)蚶貝姫(きさがいひめ)は出雲東部の主神佐太大神(さたのおおかみ)の母です。金の矢に感応して大神を産みました。


大己貴命(おおなむぢのみこと)が生きているのを見て驚いた兄弟たちですが、次は山の中の大木に楔を打ち込み、だまして大己貴命をその中に入れ、入った所で楔を引き抜いて閉じ込めてしまいました。大己貴命の母は大己貴命が戻ってこないので不審に思って探し回り、この木を見つけて木を裂き、息子を救出します。そして「このまではお前は兄弟たちに殺されてしまいます。紀の国の大家彦神(おおやびこのかみ)の所に行って相談しなさい」と言います。

そこで大己貴命(おおなむぢのみこと)大家彦神(おおやびこのかみ)(=五十猛神(いそたけるのかみ))の所に行くと、根の国の須佐之男神(すさのおのかみ)の所に行きなさいと行って道を教え、追ってきた兄弟神たちは弓矢で射て追い返してしまいました。



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