sinwa(8)大国主神と須世理姫

さて、根の国に来た大己貴命(おおなむぢのみこと)須佐之男神(すさのおのかみ)の娘の須世理姫(すせりびめ)と出会い、愛しあってしまいます。そして須世理姫は彼を父の須佐之男神の前に連れて行き、私はこの人と結婚したいと言います。須佐之男神はそれではこの男に試練を課し、それに堪えられたら結婚を認めようと言います。

大己貴神はまず蛇のたくさんいる部屋に連れて行かれました。しかしこの時、須世理姫が秘かに1枚のヒレを渡して「蛇が来たらこのヒレを3度振りなさい」と教えましたので、その通りにして難を逃れることができました。

翌日は今度はムカデと蜂のいる部屋に通されましたが、また須世理姫がムカデと蜂を払うヒレを渡したので、無事に過ごすことができました。

そこで今度は須佐之男神(すさのおのかみ)は矢を1本野原に放って大己貴命(おおなむぢのみこと)に取って来るように命じ、大己貴命(おおなむぢのみこと)が拾いに行った所で回りに火を付けました。火に囲まれて困っていると1匹の鼠が現れて「内はうつろで広い。外はすぼまっている」と言いました。大己貴命(おおなむぢのみこと)は鼠の穴の中に隠れられることに気付き、穴を掘って下に隠れ、火が地面を通りすぎるのを待ちました。

大己貴命(おおなむぢのみこと)が無事戻って来たのを見た須佐之男神(すさのおのかみ)はなかなかやるなと思い、家の中に連れて戻り座ってから、自分の頭のシラミを取ってくれと言いました。大己貴命(おおなむぢのみこと)が見ると頭にはたくさんのムカデがいます。どうしたものかと思っていると須世理姫(すせりびめ)がムクの実と赤土を渡しました。そこで大己貴命(おおなむぢのみこと)がムクの実を噛み砕き、赤土を口に含んで吐き出しますと、須佐之男神(すさのおのかみ)は、ムカデを捕まえて自分の口で噛み砕いてくれているのかと思い、可愛い奴だなと微笑んでそのまま眠ってしまいました。

そこで大己貴命(おおなむぢのみこと)は眠ってしまった須佐之男神(すさのおのかみ)を家の柱に縛り付け、戸口には大きな岩を置いた上で、須世理姫(すせりびめ)を連れて、根の国を逃げ出してしまいました。この時、須佐之男神(すさのおのかみ)が持っていた生太刀(いくたち)生弓矢(いくゆみや)天詔琴(あめののりごと)を持って行きました。

ある程度行った所で天詔琴(あめののりごと)が木に触れてポロンと鳴りますと、この音で須佐之男神(すさのおのかみ)は目を覚まし、家を引き倒して縄を解き、大己貴命(おおなむぢのみこと)たちを追いかけて来ました。そして笑いながら大声でこう言いました「お前の持って行った生太刀(いくたち)生弓矢(いくゆみや)でお前は兄弟たちを倒すんだぞ。そしてお前はこの国の主(大国主)となり、現し国魂(うつしくにのみたま)となって、須世理姫(すせりびめ)を妃にし、宇迦の山の麓に大きな宮殿を作って住むんだぞ」と。

こうして根の国から帰ってきた大己貴命(おおなむぢのみこと)須佐之男神(すさのおのかみ)が言った通り、80人の兄弟を打ち負かし、追放して国作りを始めたのです。なお、発端の八上姫(やがみひめ)の方ですが、須世理姫(すせりびめ)に遠慮して、大己貴命(おおなむぢのみこと)との間に出来た子供を木の俣にはさんで因幡に引き籠もりました。そこでこの子供を木俣神(きまたのかみ)(=御井神(みいのかみ):井泉の神)と言います。

【大国主神の系譜】

大国主神(おおくにぬしのかみ)はこのわざわざ根の国から連れて来た正妻須世理姫(すせりびめ)との間には子供を設けていないようです。しかし最初の妻の八上姫(やがみひめ)との間の木俣神(きまたのかみ)の他、色々な姫との間に多くの子供(日本書紀(にほんしょき)には181柱と書かれている)がいたとされます。特に重要なのが、下記の7神です。

宗像の奥都島の田心姫命との間に、味鋤高彦根神(あじすきたかひこねのかみ)(賀茂大神)・下照姫(したてるひめ)
同じく辺都宮の高降姫神との間に、事代主神(ことしろぬしのかみ)(えびす様)・高照姫(たかてるひめ)

因幡の八上姫との間に御井神(みいのかみ)木俣神(きまたのかみ)
越の国の沼河姫(ぬなかわひめ)との間に建御名方神(たけみなかたのかみ)
鳥取神(ととりのかみ)との間に鳥鳴海神(とりなるみのかみ)

沼河姫(ぬなかわひめ)との間の交際では美しい歌のやりとりがあったことが古事記(こじき)に記されています。その子建御名方神(たけみなかたのかみ)は後に天の使いの建御雷之男神(たけみかづちおのかみ)と、国の支配権を賭けた相撲を取ることになります。現在は諏訪神社(すわじんじゃ)の御祭神です。

鳥鳴海神(とりなるみのかみ)も重要な神のようで古事記(こじき)はこの神の系譜を詳しく記述していますが、ここでは省略します。なお、事代主神(ことしろぬしのかみ)の母について、上記は旧事本紀(くじほんぎ)の記述ですが、古事記(こじき)では神屋楯比売(かむやたてひめ)としています。



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