サッカーのシステム

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サッカーのシステム



●システムとは

システムとはサッカーにおける選手の配置のことである。サッカーの選手はGK(ゴールキーパー)をのぞく10人は基本的にはDF(ディフェンダー)、MF(ミッドフィルダー)、FW(フォワード)の3つに分けられるが、そのDF・MF・FWをそれぞれ何人配置するかというのは、野球のポジションとは違って固定的ではなく、そのチームの戦略によって数が違い、位置的な配置も違う。

一般にはその数の配分を聞けば位置的な配置はだいたい予想がつくため、このシステムを4−4−2のシステムとか3−5−2のシステムなどという言い方をするのである。この人数はDF−MF−FWの順である。

●現代のシステム

現代の日本(のJリーグ・日本代表)で採用されているシステムは4−4−2と3−5−2が代表的で、あとはそのバリエーションと言ってよいであろう。

左図は最も基本的な4−4−2システムである。DF(ディフェンダー)の4人はほぼ横一線に並び、中央の2人をCB(センターバック)、両側の2人をSB(サイドバック)という。

MF(ミッドフィルダー)は左の図のようにダイヤモンド型に配置される場合と、DFと同様に横に4人配置されるケースがある。左の図のような場合、ダイヤモンドの底のMFは攻撃の起点となって任意の方向にパスを供給して前線へとボールを運ぶので、ハンドルのようにぐるぐる方向を変えられるということからボランチ(ポルトガル語でハンドルの意味)と呼ばれる。

これに対してMFが横に4人並ぶシステムでは、両側のMFのことをWB(ウィングバック)と呼ぶ。サイドからの攻撃のかなめである。WBを置かないシステムでは、DFのSBの2人が敵陣深くまで走り込んできて、その代役をする。そのような動きのことをオーバーラップという。

FW(フォワード)は左の図では左右に1人ずつ配置しているが、むしろサイドからドリブルで敵の守備陣を突破するタイプのWF(ウィングフォワード)と、ゴール前に走り込んで味方のパスを受けてシュートするストライカーの組み合わせにすることも多い。

ここでウィングフォワードをおかずに、その役目をWB(ウィングバック)に任せる方法もある。その場合はFWは1人になるので、システムは4−5−1となる。これは超強力な点取り屋がいる場合に採用される。


右図のシステムは同じ4−4−2でもDF(ディフェンダー)の配置が異なっている。二人のCB(センターバック)の代わりに一人のストッパーと一人のリベロを置く。ストッパーは敵のフォワードに対してマンツーマンの防御を行い、リベロは特定の相手のマークはせずに、自由に動き回って守備のカバーをするとともに、守備陣全体に各種の指示を出す。「リベロ」とは「自由な人」という意味である。

CBを二人置くシステムでは基本的にゾーンで守る。つまり各DFがその区域に来た相手を止めるのに対して、ストッパー+リベロではマンツーマンが基本になる。これがこのふたつのシステムの違いである。


上記のシステムから更に守備を厚くしたのがこの3−5−2システムである。このシステムは相手の4−4−2システムを止めるために作られたシステムで、相手が4−5−1なら普通の4−4−2で充分である。

3−5−2システムではストッパーが2人いて、相手の二人のFW(フォワード)にそれぞれマンツーマンでマークし、もう一人のDFであるリベロが全体のカバーをする。両側についてはWB(ウィングバック)が下がってきて対処するので、守備の際は5人で守っている形になる。

つまり守備の時は5−3−2のようになり、攻撃の時は3−5−2になるためWBの運動量は大きいが機能すればダイナミックな機動的配置となる優秀なシステムである。ただ唯一の欠点はWBが疲れやすいことであろう。次の3−4−3ではその問題が解消される。


右図が3−4−3。昨年横浜フリューゲルスが採用して話題になったシステムである。

もともとは当時のフリューゲルス監督カルロス・レシャックがFCバルセロナで「空飛ぶオランダ人」ヨハン・クライフと共に作り上げたシステムで、右図で見るように選手がピッチ上に均等に配置され、パスを運ぶための三角形がいくつもできているのが特徴である。

実際のゲームの中ではこの多数の三角形がその関係を保ったまま伸び縮みして攻撃・守備を行うので、全員が攻撃・守備の両方の意識を持つことが肝要となる。DF(ディフェンダー)の数は3人でその面では一見上記の3−5−2と同様に見えるが、このシステムではWB(ウィングバック)はSB(サイドバック)の代理までするということではないので、ほんとうに3人で守らなければならない。その代わり、MFは相手に早めにプレッシャーを掛けて、中盤でボールを奪い返すような動きが必要である。つまり相手が近づいてきてから守るのではなく、ボールが敵陣深いところにある時から既に守備のシステムは発動するのである。

そういう意味ではクライフが現役時代に実行した全員守備・全員攻撃のトータル・フットボールに近い形ということが言えるであろう。

●システムの歴史

初期の頃のサッカーは点を取ることだけに注目していたので、GK(ゴールキーパー)以外は全員FW(フォワード)とか、DF(ディフェンダー,当時はフルバックFBと言った)1人とFW9人などというところから始まったが、やがてDFとFWの間に一人MF(ミッドフィルダー,当時はハーフバツクHBと言った)を置く1−1−8システムができた。


しかし、やがてもう少し守備を厚くした方がよいという考えも生まれ、できあがったのが右図の2−3−5システムである。この時代はオフサイドのルールが3人制、つまりGK(ゴールキーパー)を含めて3人相手が前にいなければボールを受け取ることができなかったため、これで充分であった。

しかし1925年にオフサイド・ルールが現在の2人制に改められると、2−3−5システムでは相手の攻撃を防ぎきれなくなってきた。そのためヨーロッパではそれに対抗するためDF(ディフェンダー)をもう一人増やしてMF(ミッドフィルダー)2人とする3−2−5システムに移っていった。この時、FW(フォワード)の内の2人が手薄な中盤をカバーするために下がり気味になるので結果的には3−2−2−3のようにも見える。このシステムはFW陣がW字型、MFとDFがM字型に配置されることになるため、WMシステムとも呼ばれた。

ヨーロッパでWMシステムが流行する頃、サッカーのもうひとつの中心地である南米では2−3−5からMF(ミッドフィルダー)の両側の2人がディフェンスラインまで下がって4人で守り、その代わりFW(フォワード)も一人が下がって中盤のカバーをするシステムに移行した。結果的にはDFが4人、MFが2人、FWが4人の4−2−4システムである。

この4−2−4システムのもうひとつの特徴はマンツーマンではなくゾーンで守るということで、このシステムを使ったブラジル代表が1958年のワールドカップで優勝したことで、ヨーロッパのチームもこのシステムを取り入れるようになり、この4−2−4が現在のサッカーのシステムの源流となったのである。
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