ヒジュラとコティ

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■ヒジュラとコティ
超性集団ヒジュラ

近年「性別」というものに対する考え方が大きく変わってきた中で、インドのヒジュラへの注目も集まっている。ヒジュラはかつては「半陰陽者で構成される祭礼集団」と紹介されてきたが、実際にはほんとうの半陰陽者は少数であり、多くはもともと男性であったものが去勢して性を放棄した人たちである。

ヒジュラは基本的にグループで行動し、特にインドの田舎では結婚式や子供の誕生などに際して祝福の踊りをする、なくてはならない祭礼集団として活動しているが、都会ではやや微妙な位置づけになっている場合もある。カースト制度の外にあり、また性別という制度の外にある。インド占星術などでは、基本的に「性」を「男性・女性・中性」に分ける考え方があり、ヒジュラはその中性の代表とみなされる。

ヒジュラはグループで様々な村や町を巡回し、時に「素質」のある子供を見つけると親と交渉してスカウトする場合もある。また本人にもともとそういう傾向がある場合、自らヒジュラのグループに接近し、加入する場合もあるとされる。

ヒジュラに加入した人は女装し、女性の名前を与えられてグループと一緒に行動する。そしてかなりの数のヒジュラが加入後数年で、陰茎・陰嚢・睾丸を切除して「真のヒジュラ」となる儀式を受ける。この儀式は現代では非合法とされているようであるが、実際にはふつうに行われている。しかし女装するだけで、去勢はしないヒジュラも存在する。去勢は通常「ダイ」と呼ばれるグループ内のその手の技術に長けたメンバーにより(麻酔無しで)おこなわれるが(当然けっこうな死亡率があるものと思われる)、最近では少数であるが、医師のもとで手術を受ける人や、更には男性器の除去と同時に造膣・女性型陰部形成を行う場合もあるようである。しかしヒジュラの場合、必ずしも女性志向があるわけではなく、中性という認識の人が多いようにも思われる。

個人的な性移行者コティ

ヒジュラがあまりに有名であるため、インドの性転換者は全てヒジュラであるかのような誤解している人もいるが、インドにもカーストや自分の部族から抜け出さず、ヒジュラ集団に所属しない個人的な性移行者もおり、(地域により名前は色々あるが)コティなどと呼ばれている。どちらかというと、これが日本などでの性移行者に近い層である。

インドには多数の部族がいるので、その中にはこの手の性のあり方に寛容なところもあり、そういう環境の中で育った、「もともとそういう傾向がある子」は、子供の内から女性的な服装・振る舞いをし、周囲からも少女に準じた扱いを受け、やがて男性と結婚する場合もある。

ヒジュラが中性的であるのに対してコティはむしろ女性的である。ただ、コティの中にも男性同性愛的な傾向の強い人と、女性志向が強い人とがいるようである。



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