言葉に見る性別役割思想

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■言葉に見る性別役割思想

言葉には思想が現れるものです。近年「言葉狩り」が目立ちますが、言葉をターゲットにするのは間違っていると思います。根本の思想の改革が必要です。思想がなくなればそれを指す言葉は死語になりますが言葉だけ排除しても思想が残っていれば新たな言葉が出てくるだけのことです。以下は考えるヒントのために。

うち女性○人

公務員試験の合格者などによく「合格者○名(内女性○名)」と書いてあったりします。これが女性差別思想でなくてなんでしょう。まるで女が合格するのは珍しい、みたいな書き方です。女性の内訳などというのを書かないか、書くのなら「男性○名・女性○名」のような書き方をすべきではないでしょうか。

OL

戦後まもない頃、働く女性のことをBG(Business Girl)と呼んでいました。しかしこの言葉は何だか「商売女」みたいだ、ということで一般公募によりOL(Office Lady)という新しい言葉が誕生したのです。しかし今OLとわざわざ女性だけをいう必要はなくなっていると思います。「サラリーマン」と統合した新しい言葉が欲しいです。

男まさり

変なことばですね。女が男より優れているのは珍しいので「男まさり」といわれるということでしょう。女性のみなさん奮起して欲しいです。この言葉は明らかに女性全体を軽蔑した言葉です。どんどん頑張って、「男まさり」という言葉を死語にしましょう。(言葉狩りは意味がありません。)

鬼の母

母親が赤ん坊を殺してしまったような時、「鬼の母」と書かれます。では父親が赤ん坊を殺したら「鬼の父」と書くでしょうか? 変ですね。さすがに最近は新聞などではこういう書き方は見なくなりましたが、週刊誌などでは生き残っています。母親は絶対赤ん坊を大事にするものだと思っている男性がけっこういるようですが、実際育児ノイローゼになりやすいのは絶対的に母親です。夫がどんなに手伝ってくれても母親の負荷というのは非常に重たいものです。

おふくろの味

この言葉が変なのは「おやじの味」という言葉がありえないからです。やはりここに女性が料理を作るのだという思想が見えます。「家庭の味」なら分かりますけどね。

女の腐ったよう

これはだらしない男性を軽蔑して言うことばですが、ではだらしない女性を「男の腐ったよう」と言うか。。。。うーん。言ってもいいような気がします(^^) この言葉、誰かはやらせませんか?

女は内・男は外

この思想はかなり弱くなってきてはいますが、意外と若い男性にこういう考え方を根強く持っている人があります。まだまだ時間がかかりそうですが、打破していきたいですね。だいたい20代の男性の普通の給料で一家暮らして行くのってけっこう苦しいはずですよ。

女らしい・男らしい

これは魔法の言葉です。「女らしい人だ」「男らしい人だ」というのは、一般に誉め言葉として使われます。でも男性が繊細なところを見せた場合「女らしい」とは言えないし、女性が立派なところを見せた場合「男らしい」とは言えないし、不便なことばですね。やはり女は優しく繊細な存在であるべき、男はたくましく勇気ある存在であるべき、といった思想があるのではないでしょうか。女らしく・男らしくよりも、私は人間らしく生きていきたいと思います。

看護婦・看護士

これは同じ経験をつみ同じ資格試験をうけたのに女性か男性かで呼び方が違うんです。変ですね。日本語はわりとこの手の表現が少ないのですが、そういう表現の多数ある英語では1970年代以降、性の要素を含まない言葉への言い替えが進みました。こういうのは差別意識ではなく単に古い制度の名残が名称をひっぱっているだけですから、できるだけはやく日本でもこの辺りの言葉の改革運動を広げたいものですね。

スチュワーデス

この言葉、やめましょう。フライト・アテンダントとかパーサーとかでいいのではないでしょうか。なお元々正式の名称は男女の別なく客室乗務員なのだとか。

きょうだい

日本には不便なことに兄姉弟妹をまとめていう言葉がありません。しばしば「きょうだい」とひらがな書きして代用したりしていますが、これでは女性の「きょうだい」が無視されているようです。なにか言葉が欲しいですね。医学関係では「同朋」という言葉を使用することがあるようですが、一般社会で使うとロシア語の「タバリッシュ」(同志)みたいで何か変な感じがします。

子女

「子」という言葉は現代では一般に男女の区別なく子供を表しますが、元々は男性の子供だけを表していました。その名残が「子女」で息子と娘という訳です。しかしせっかく「子」が中性的に扱われてきていますから、この古い用法を捨ててしまえないものでしょうか。

雌伏する

ちょっと変な言葉ですね。じっとしてる、ということなんですが、なぜ「雌」が出てくる必要があるのでしょうか。女はじっとしているものだ、って思想が背景にありそうですね。

雌雄を決する

これは嫌いな言葉です。雌雄を決して勝った方が雄になって負けた方は雌になるということでしょうか? それで結婚でもするということ?? まぁご本人たちがそれでいいのならいいんですけど。雌雄を決っしたいという方々は、どうぞ負けた時はいさぎよく性転換なさって下さい

主人

夫のことを「主人」といいます。でもこれじゃまるで妻が夫に仕えているみたいですね。もっとニュートラルな言葉が欲しいものです。遠慮のいらない間柄だったら「彼」とか「亭主」とか「旦那」とかまだマシな言葉が使えるのですが、敬語で話さないといけないような相手に対しては「主人」しか使えない状況があります。みんな困っていると思うのですが、誰か音頭をとって新しい言葉を作ろうという人がいないでしょうか。

主婦

これも変ですね。もっとも最近は「主夫」というのも使われはじめていますから少しずつ改善されていくかも知れませんが。職業欄に「主婦」と書く人もいますけど、これも変だなぁ。

女医

男性の医者を「男医」とは言わないのに女性の医者を「女医」と呼ぶのはやはり変。昔は治療行為をしていたのは巫女だったから、治療をする人は女性だったんでしょうが、中世以降男性の医者が幅をきかせるようになって、それで女性の医者が少なくなったからこういう言葉が生まれたんでしょうね。これは言葉狩りではなく実際で解消する必要のある問題です。医療機関で働きたいと思う女性は看護婦を目指す方が多いと思いますが、実力のある人は医師を目指して欲しい。そして女性の医者が十分多くなれば「女医」という言葉は死語になるでしょう。

職場の花

ふーん。女性の社員は「職場の花」なんだそうです。でもこれってやはり男性の社員が多いからでしょうね。女性が20人に男性が10人なんて職場では「職場の花」はむしろ男性の方になるかも知れない。この言葉が象徴するのは、如何に女性の社会進出がおくれているかということでしょう。

女史

これは半分くらい死語になりかけています。今時「女史」なんて言葉は使いませんね。「さん」でたいてい済んでいるし、男女区別せず「氏」にする流儀もけっこう一般的です。世の中がずいぶん一時期に比べると男女平等になってきていることを示しています。いい傾向です。

女性教師

これも20%くらいは死語になりかけています。こういう言葉は一般に文章の中でしか使われていません。つまり新聞か週刊誌か、そうでなかったらポルノ小説です。教師の男女比は小さいですから「女性」と修飾する価値は小さいんですね。意外とメディアというのは時代に遅れています。

女優

これは女性でも「俳優」といっていいと思います。女性だけを「女優」という必要はないでしょう。そういう書き方をする人が少しずつ増えてきています。いい傾向だと思います。むろん女の役をする役者を「女優」というのだったらそんなに反対しませんが。この流儀では歌舞伎の女形も女優になりますが。

女流作家

これも女性教師と同様、書き言葉の中でしか使われないようになってきています。作家はひょっとしたら女性の方が多いかも知れないですね。

青少年

青少年というのは「お役所用語」であり、一般の人は使用しません。しかし通常「青年」とか「少年」という言葉は日常的には男性しか指しませんが、お役所用語では男女の区別なく若い世代を指す言葉として使用されています。思うに「青少年」という言葉は不要ではないでしょうか。「若い人たち」とか「子供たち」といえば事足りる筈です。

嫁ぐ

女性が結婚することを「嫁ぐ」というのに対して、それに対応する男性側の言い回しがありません。「嫁に行く」に対しては「嫁をもらう」、「婿を取る」に対しては「婿に入る」と言えるのに、「嫁ぐ」の対になる言葉がないのは変ですね。

内助の功

嫌いな言葉ですね。妻は家庭にじっとしていて夫の仕事を助けろ、せめて食事の世話などをしろ、といっているみたいです。夫婦が協力しあうのは当たり前ですが、それを「内助の功」とはいってほしくないと思います。このことばが男女両性に使えるのなら別ですが。

女房役

キャッチャーはピッチャーの女房役とか、幹事長は党首の女房役とかいうことばがありますが、いやらしいですね。性的関係でもお持ちなのでしょうか?

初の女性課長誕生

こういうのがよくニュースになってるんですが、こういうのがニュースになるということ自体がおかしい。男性が課長に就任してもニュースにならないのに。マスコミは意外と男尊女卑的です。

母親の就労化は非行の原因

最近はこういうバカなこという評論家は減りましたが、母親は仕事はせずに子供についてるべきだ、という思想なんでしょうね。どうして24時間ついてる必要があるんでしょうか。子供も一個の人間です。母親だけとの関係の中で暮らしていてはいけません。どんどん社会に出してやるべきです。そして一緒にいる時間にたっぷりと愛情はそそげばいいのです。

母は優しく父は厳しく

こういうしつけをしろ、という主張をする人もずいぶん少なくなってきました。いい傾向です。父親が優しく母親が厳しくっても構わないはずです。一時期家庭内の「父親不在」が問題になりました。それは父親が厳しくないからいけないのではなく、父親が子供をきちんと自分の心の中にいれて接してなかったからだと思います。厳しくするにしても優しくするにしても、愛情がなかったら子供には地獄です。

父兄

変ですね。「父兄参観日」というのがあるんですが、来るのはたいてい母親です。どうも家の人のことを代表で「父兄」といっているようですが、家にはいろいろな人がいるわけで。どうしてもいいたいのなら「家族参観日」あたりが妥当でしょう。

夫唱婦随

なんかこういのうを美徳と思っている人たちがいます。変だと思います。夫婦は対等な関係であって、どちらかがどちらかに従うということはありません。夫婦協同であるべきだと思います。

夫人

社長夫人とか大統領夫人とかいうんですが、社長や大統領が女性の時の言い方がないですね。これはいけませんね。「社長の妻」、「大統領の妻」で十分ではないでしょうか。

保母・保父

看護婦・看護士のところでも書きましたが、これも同じです。同じ資格をとっているのだから、性別によって言い方を分ける必要はないでしょう。ところで最近まで保父さんも正式の資格名は「保母」だったんですね。今は男女に関わらず保育士になりましたが、保父さんたちは公文書などで職業欄に「保母」と書くのがとても恥ずかしかったそうです。

マドンナ議員

変なの。女性の議員はマドンナなんですか。ふーん。で「マドンナ議員大量進出」で女性の地位が向上したなんて浮かれてるんですか? ばっかみたい。「マドンナ議員」と言われて喜んでいる状態じゃ話になりませんね。国の人口は男女ほぼ半々なんだから、議員も男女半々になるべきなんじゃないですか?

未亡人

これも週刊誌かポルノ小説くらいでしか見なくなりましたね。夫が死んだのにまだ生きてる人って意味ですね。だいたい女性の方が早熟だから一般に夫婦は女性の方が年齢が下になりがちです。結婚にベクトルが向いている人の年齢層が男性と女性でずれてるんだからこれは生理的に仕方のないことです。しかも一般に女性の方が男性より寿命が長いですから、夫婦というのはたいてい夫の方が先に死ぬんです。それを「まだ死んでないやつ」なんて言って欲しくないですね。

婿養子

これも言われて気づいたんですが「嫁養女」って言葉はないですもんね。実際に「婿養子」になる人って妻の親と養子縁組するわけじゃないでよね。それなのに「婿養子」って言葉は変ですよね。

女々しい

「雄々しい」ということばは誉め言葉なんですが「女々しい」という言葉はけなす言葉です。どちらも男性にしか使わないようですが、男性をけなすのに女性をひきあいに出すのって変じゃありません?

男は姓で女は名で?

しばしば小説などで「原田は駅で光子と落ち合った」などという表現が出てきます。どうも男を姓で呼び、女は名で呼ぶ傾向があるようです。これはおかしな習慣ですね。私はどちらも名で呼ぶ方がよいと思います。




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