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秋月の乱(1876)

1874〜1877年にかけて、全国各地で士族を中心とした乱が起きました。

1874.2月 佐賀の乱1876.10.24 熊本・神風連の乱1876.10.27 福岡・秋月の乱1876.10.28 山口・萩の乱1877.02.15 鹿児島・西南の役

明治維新の初期の段階では、倒幕運動を進めた薩摩・長州・土佐・佐賀などの藩の武士が「官軍」を形成し、国内の治安の維持に当たっていました。しかし、政府は今後日本が国内の治安を維持し、また外国とも肩を並べていくためには、こういった武士たちによる軍隊では力不足であると考え、徴兵制の導入を決定しました。

明治政府の基本方針はそれまで各藩が日本を分割統治していた状態を改め、挙国一致の強力な中央集権国家を作ることでした。そのためにはそれまで藩に所属していた武士たちを集めてひとつの軍隊に組織しようとしても旧来の人脈が壁になってうまく行かないことが予想されました。そこで武士たちの特権は取り上げて(廃刀令・全国民への苗字許可など)、代わりに全ての国民層から均質に抽出した新しい軍隊を作ろうと考えたのです。

この徴兵制によって突然兵役を課せられた農民や商工業従事者も若い働き手を兵隊に取られて困惑しますが、それよりも困惑したのは旧武士たちでした。

一応身分の上では「士族」と呼ばれ平民(農工商)より上の階級ということにはなりますが、実際には社会的に何か現実的特権があるわけでもなく、それまで藩からもらっていた給料ももらえなくなり、武士の魂としていた刀も召し上げられてしまいました(廃刀令は1876年)。プライドも大きく傷つけられましたが、それよりもまず生活に困窮することになりました。

1876年に連続して起きた神風連の乱・秋月の乱・萩の乱は、この廃刀令に対する武士たちの怒りが爆発したものとされます。

■佐賀の乱

佐賀の乱は一般には江藤新平が起こしたものと思われていますが、実は江藤はどちらかというと単に巻き込まれただけ、という感がします。

先にも述べたように維新政府を初期の頃サポートしていたのは、薩摩・長州・土佐・佐賀の4藩の士族たちでした。しかし新政府の中で薩摩出身の大久保利通の力が強くなると、佐賀出身の士族たちの中には政府の方針に反発する者が多くなってきました。

佐賀が不穏な空気に包まれていることを憂慮した佐賀出身の参議・江藤新平は大久保利通と韓国出兵を巡って対立しちのを期に参議を辞して、佐賀の士族たちをおとなしくさせるため帰郷しました。

そしていったん長崎に行っている間に2月1日過激派の一部が政商の小野組の支店を襲撃、乱が勃発していました。この時、佐賀の乱のもう一人の指導者ということにされている島義勇も東京にいました。

江藤も島も急遽佐賀に入りますが、結果的には抑えるどころか首領に祭り上げられてしまいます。そして他の藩の士族達が呼応して蜂起してくれることを期待しますが、誰も動きませんでした。

結局反乱軍は近代兵器を装備した熊本鎮台の政府軍に簡単に平定されてしまいます。そして江藤・島両名を死刑・梟首とされ、そのほか反乱軍の幹部11名が斬罪になりました。

■神風連の乱・秋月の乱・萩の乱

1876年3月政府は廃刀令を出して士族から刀を取り上げました。更に8月にはそれまで一応旧藩に代わって士族たちに支払っていた俸禄を停止、代わりに5〜14年分の俸禄の額面の公債証書を発行して、その利子だけを支給するという方策を取りました。これは士族への俸禄が政府予算の3割程度を占めていて財政的に行き詰まったことが原因です。

しかしこの1876年の政策により士族たちの積もり積もった不満が爆発するのです。

1876年10月24日、熊本で太田黒伴雄を中心とする200名ほどの集団「神風連」が県庁などを襲撃、知事と鎮台司令長官に重傷(後、死亡)を負わせました。この反乱は直ちに鎮台軍により鎮圧されました。

3日後の27日、今度は福岡で旧秋月藩士宮崎車之助ら400名が神風連に続けといって蜂起しました。しかし鎮台が出動するとかなわないとみて大分方面に逃走、現地の士族たちに呼応を呼びかけますが応じる者なく、結局小倉鎮台に鎮圧されました。

そして秋月の蜂起の翌日の28日には、山口県の萩で前参議の前原一誠ら500名ほどが蜂起、政府軍と戦闘を交えました。前原らは11月4日まで抵抗しましたが、結局大阪鎮台兵などにより鎮圧され、前原は捕らえられて処刑されました。

この一連の乱は士族たちの強い不満を如実に語っていました。そして、前原までもが立ったことで政府は最後の在野の大物・鹿児島の西郷隆盛の動きに神経をとがらせました。

西南の役については、またいづれ。


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