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ラッセル(1872-1970)

1872年5月18日、イギリスの哲学者で近代論理学の祖の一人、バートランド・ラッセル(Bertrand Arthur William Russel, -1970.2.2)が生まれました。

ラッセルの功績はたくさんあるのですが、私はその中でも特に論理学に関する功績に興味があります。この分野では彼がホワイトヘッドと一緒に著した「数学原論」が光り輝いています。

近世の科学の発展を支えていたのは人間の論理する頭脳です。例えば有名な「三段論法」では「AならばB」「BならばC」という命題から「AならばC」という命題を導きます。

こういう論理の仕組みは漠然と使用されていた訳ですが、ラッセルらはこの論理という仕組み自体に科学のメスを入れました。ラッセルらの研究はこの論理の働きを記号によって表現するので「記号論理学」と呼ばれます。彼らの功績はこういうことが思惟上の存在ではなく学問の対象となる具体的存在であることを確認したことといえます。

19世紀末から20世紀初頭にかけての、この論理学のラッセル、集合論のカントール、電磁気学のマクスウェルらの研究がここ数世紀発展してきた科学の土台を再検討し、そして大きく揺るがしました。20世紀の科学は彼らが揺るがしそしてその後再構築された新たな基礎の上に立っているということもできるでょう。数学上の不完全性定理、物理学上の相対性理論や不確定性原理などの上にコンピュータ技術も原子力技術も宇宙の研究も成立しています。

なお、現在、論理学は更に次のようなモデルの上で研究が進んでいます。

 直観論理学・・・真とも偽とも決められない命題が存在する世界(人間の世界)古典論理学・・・全てが真または偽に定まる世界(神の世界)量子論理学・・・真でありかつ偽である命題が存在する世界(量子力学の世界)ファジー論理学・・・真偽が曖昧な世界(真の度合いが問題とされる)様相論理学・・・必然性や可能性などを扱うラッセルの「第二の論理学」・・・人間の行動や義務などを取り扱う

ただし量子論理学やラッセルの第二論理学については現在ほとんど研究者がいません。前者は難解すぎますし、後者は理解する人自体が少ないようです。これを私に教えて下さった先生も「自分にも意味が分からないのだけど」と言いつつ教えて下さいました。私がその意味を理解したのはその話を聞いてから5〜6年後でした。


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