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スティーヴンソン-宝島(1850-1894)

『宝島』『ジキルとハイド』で知られるロバート・ルイス・スティーブンソン(Robert Lewis Stevenson, 後に Louisに改める) は1850年11月13日スコットランドの首都 Edinburgh の Howard Place で生まれました。7歳の時にEdinburgh内の新興住宅地 Heriot Row に引っ越しています。この Heriot Rowでの生活の記憶が後に『子どもの詩の園(A Child's Garden of Verses ,1885)』で歌われることになります。基本的にはあまり腕白な子ではなく、おとなしく本でも読んでる方が好きな子であったようです。

お父さんは灯台の技術者、お母さんは弁護士の家の出身でした。ロバートは17歳でエジンバラ大学に入り、お父さんと同じ技術者の道を進もうとしましたが途中でコースを変更し法律の勉強を始め、1875年には弁護士の資格を取ります。ところが、彼は弁護士にはならず、文学の道を志しました。

大学の夏休みを利用して文学仲間達とフランスに旅行し、そこで大いに刺激を受けるものがあったようです。彼の最初の作品はその頃出版されたもので「Roads」というタイトルの旅行記でした。

比較的知られている作品の中で最初の作品は1878年の「内地旅行(An Inland Voyage)」。アントワープから北フランスまでのカヌーでの旅を描いたものです。その次が1879年の「旅はロバとともに(Travels with a Donkey in the Cevennes )」。これは日本語訳も出ています。

1876年9月、彼はパリ近郊のグレという町で魅力的なアメリカ人女性と知り合います。彼女はFanny Osborne。11歳年上で2人の子供がおり、夫と別居中でした。彼は彼女の中に今まで知らなかった世界を見つけのめり込んでいき、2年後彼女が夫との離婚に成功するとすぐに結婚して、彼女の故郷カリフォルニアに移りました。この新大陸での生活はすぐに「素人移住者(The Amateur Emigrant,1880)」に描かれています。そしてこのカリフォルニアシリーズは「Virginibus Puerisque(1881)」「The Silverado Squatters(1883)」と続きます。

1881年の夏、スティーヴンソン一家はロバートの故郷スコットランドで休暇を過ごしていましたが、何日も雨が続き外に出られない日が続きました。その時、12歳の息子(ファニーと前夫の子)の Lloyd (1868-1947)が「これは宝島の地図だぞ」と言ってたくさん書き込みのある地図を作り始めました。

それを見たロバートは、これは面白い!と考え、その地図を見ながら初めて子供向けの作品「宝島(Tresure Island)」を書き始めます。この作品は1883年に出版され、その後の詩集「子どもの詩の園(A Child's Garden of Verses,1885)」、「黒い矢(The Black Arrow, 1883)」「誘拐されて(Kidnapped, 1886)」およびその続編「カトリオーナ(Catriona, 1893)」へと続く流れができます。

一方では彼はファンタジー的な作品も書いていました。きっかけになったのは1878年に雑誌に連載した「その後のアラビアンナイト(Latter-Day Arabian Nights)」で、これは後に「新アラビアンナイト(New Arabian Nights,1882)」として出版され、幾つかの作品を経て「ジキルとハイド(Strange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde, 1886)」で結実します。

1888年ロバートは一家を連れて太平洋の島々を巡る長い旅に出ますが、やがてサモアのアピアに定住する決心をし、ここに家を建てます。結局彼はここで1894年12月に亡くなっており、この島のヴァエア山にお墓が作られました。

この最後のサモア時代に彼は息子の Lloydと共著で映画にもなった「引き潮(The Ebb Tide, 1894)*1」や「The Wrecker(1892)」などの作品を書いています。Lloydはその後彼自身作家として活躍しています。

(*1)カトリーヌ・ドヌーブとマルチェロ・マストロヤンニが主演した作品(原題 Lisa あるいは Love to Eternity)ではなく、これは南の海を舞台にした冒険物。最近では1998年にイギリスでテレビドラマ化された。

■ジキルとハイド (Dr. Jekyll and Mr. Hyde)まじめな紳士として通っていた科学者ジキル博士は自分の心の中に潜む悪の性格を分離しようという幻想に囚われ、やがて秘薬を発明する。それを飲んだジキル博士は凶悪な人間ハイドに変身し、殺人・暴行などの悪事の限りを尽くす。別の薬を飲めば元のジキルに戻れるのだが、何度も変身を繰り返す内にやがて.....

■箱ちがい (Wrong Box, Lloydとの共著)最後に生き残った人が年金を受け取るという仕組みのトンチン年金組合で最後にマスターマンとジョゼフが生き残った。そのジョゼフが旅行に出かけて途中鉄道事故に遭ってしまう。知らせを聞いて駆けつけた彼の甥たちは現場で老人の遺体をみつけるが「伯父が死んでしまえば年金が」と考えた彼らはその老人の遺体を大樽に隠してロンドンに送りまだ伯父が生きているように見せかけようとする。しかし.....

■宝島 (Tresure Island)港の宿屋「ベンボー提督亭」に来た頬に刀傷のある船乗りが宝島の地図をのこして死ぬ。宿屋の少年ジムは医師のリブジーや地主のトリローニらとともに船を仕立てて、その宝島を目指して航海に出る。その船のコックとして乗り込んできたのは片足の男ジョン・シルヴァーであった。海賊たちとの死闘、島の中での冒険、謎の男ベン・ガン、そして地図の場所にあったものは..... 少年冒険物の不朽の名作。


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