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初の肥満児調査(1969)

1969年7月22日、文部省が初の全国肥満児調査の結果を発表しました。

この結果によると、11歳の男子の4%,14歳の女子の8%が太りすぎであったとのことです。ということで今日は肥満とダイエットの話をしましょう。

先日紹介した古くからある「標準体重の計算式」 (身長-100)×0.9はブローカーの式と呼ばれるものですが、その後1991年の日本肥満学会で提唱された新しい計算式もあります。これは 身長×身長×22 というものです。この22の代わりに20を使うと「美容体重」になります。この新しい標準体重の計算式はいわゆるBMIから逆算されたものです。 BMI = 体重÷(身長×身長)で、これが22の人が最も長生きであるとされ、男性の場合で20-25,女性の場合で19-24が正常値とされます。BMIでは26.4以上を肥満と判断します。

身長 ブロ式 学会式 美容体重 肥満体重 140 36.0 43.1 39.2 51.7 145 40.5 46.3 42.0 55.5 150 45.0 49.5 45.0 59.4 155 49.5 52.9 48.1 63.4 160 54.0 56.3 51.2 67.6 165 58.5 59.9 54.4 71.9 170 63.0 63.6 57.8 76.3 175 67.5 67.4 61.3 80.8 180 72.0 71.3 64.8 85.5 185 76.5 75.3 68.5 90.4 190 81.0 79.4 72.2 95.3

しかしこれらはあくまで「大雑把な目安」と考えた方がよいでしょう。実際問題として肥満かどうかの判定は身長と体重のバランスではなく脂肪の付き具合です。例えば相撲の力士は身長に比べてひじょうに体重が大きいですがあれはほとんどが筋肉で、体脂肪率は低いので肥満ではありません。

(もっとも最近はちゃんこを食べずに外食ばかりして、稽古も少ないという 困った新弟子などもいて相撲協会も体脂肪率のチェックを始めたようです)

体脂肪率を測定するのに、最近家庭で簡単に「体脂肪率」を測れると書いてある体重計が普及しつつあります。しかし、この手の家庭用機器には落し穴があります。実はこの手の機器で測れるのは「皮下脂肪」の率であって、もっと問題のある「内臓脂肪率」は測定できません。『最近太りすぎかな?』と不安のある方は、一度大きな病院で内臓脂肪がどの程度付いているかを調べてもらった方がいいかも知れません。

この内臓脂肪がつくと、実にいろいろな問題を引き起こします。

まず第一にこの脂肪によって内臓が圧迫され、それによっていろいろな病気が引き起こされます。それから高血圧・糖尿病・胆石などにかかりやすくなります。また気道の圧迫により呼吸がしづらくなって睡眠不足になり疲れがたまりやすくなるとともに、突然死などの危険性も高くなります。

要するに肥満になっていていいことはまずありませんから、やせるべきです。

しかし逆に特に若い女性などには無理なダイエットをして貧血や骨粗鬆症・月経不順などを起こしたり、ひどい場合まだ20代なのに閉経してしまうようなケースや、それほどでなくてもまだ20代なのに骨だけは60代という人もあるようです。カーペンターズのカレンがダイエットから拒食症に陥り、その為死亡したことも記憶に強く留めておられる方も多いことでしょう。

ダイエットの基本は適度な運動と食事制限ということになります。

ここで幾つかの間違いやすい問題があります。

・食事制限だけではダイエットは無理です。運動をしていないと筋肉が衰え てしまいます。しかし脂肪を燃やしてくれるのは筋肉なので、結果的に脂 肪の減りにくい体になってしまいます。

・運動だけでもダイエットは無理です。例えばハンバーガー1個食べた分の カロリーを消費するのに自転車こぎで1時間かかります。食習慣を直さず に運動だけで体重を落とすのは無理があります。

・苦しかったら一時中断する。実はダイエットの最大の敵はストレスです。 毎日苦しい思いをして食事制限と運動を続けてもストレスによって体重は 増加します。楽しみを感じられる方法を取る必要があります。時にはジャ ンクフードなどを食べて「今日はダイエット休日!」などと自分に宣言する のもいいでしょう。あとでその分運動すれば済むことです。

・限度を超えた食事制限は無意味です。極度に食事制限を行うと人間の体は その少ない摂取栄養量に合せて、あまりエネルギーを消費しない体に作り 変えられてしまいます。(適応現象といいます)その為、いくら食事制限 しても全然体重が減らないという事態に陥ります。きちんと食べて、食べ た分以上を消費することが必要です。『痩せたい人は食べなさい』です。

・急激なダイエットは逆にリバウンドを招きます。ダイエットする場合、だ いたい1月に2kg程度ずつのゆっくりした体重減少が適切です。どうしても 急速に減らしたい場合は、2ヶ月で体重の1割減らしたらその後10ヶ月間は その体重を維持する、といった感じで「維持期間」を設けます。

しばしばダイエットしてはリバウンドというのを繰り返す人がいますが、 リバウンドした体重のほとんどは脂肪です。つまり、これを繰り返すと元 よりもっと体脂肪率の高い体になってしまいます。 一番大切なのは、自分の食事と運動の習慣を改善していくことです。

・運動は適度に。基本的には長時間汗を流す運動を。一般に人間の体は運動 をし始めると最初は体内のグリコーゲンなどのすぐにエネルギーに転換で きる物質が消費されます。脂肪というものは体が暖まってからしか燃やて くれないので、だいたい運動を始めてから20分くらいたってから、やっと 脂肪が消費され始めます。ですから短時間の激しい運動を一週間に一回く らいやるのが、いちばん効果がない方法ということになります。だいたい 毎日1時間くらいの軽い運動が適当と思われます。

 しかし逆に汗が尽きるくらいまで運動した後更に運動し続けても脂肪はもう燃えません。体がもうエネルギーの消費を拒否してしまうからです。普通の人ならジョギングを2時間とか続けるのはダイエットには無意味。

・自分の筋力を越える運動をしない。特に体重が標準体重よりかなり重い人 の場合、一般に筋肉が自分の体重を十分支えるだけの力を持っていないケ ースがかなりあります。そういう人がいきなりジョギングなどをすると、 下半身に異常な負担がかかって、足腰を痛めることになりかねません。

体重がかなりある人の場合は、水中歩行などから始めるのがよいでしょう。 それで少し減ってきたらウォーキングなども加えてよいと思います。ジョ ギングができるのは、大雑把に言って「肥満体重」未満の人と考えた方が よいと思います。

・食べるもの、食べ方に工夫を。基本的に油類(バター,チョコレート,脂身 等)や塩分の高い物(塩ジャケ,漬け物,生ハム,カマボコ等)はできるだけ避 けた方が無難です。アイスは乳脂肪分たっぷりの高級品より氷菓やラクト アイスを。天麩羅は高温でカラっと揚げたものを天つゆにつけ油分を落し て。炒め物はラード等よりサラダ油で。また醤油やダシの素などを入れる なら食塩は入れないなどの方法を。

逆に充分に採った方がいいのは蛋白質やビタミン類です。つまり昼御飯を 月見うどんにするくらいならハンバーガーの方がマシです。

また、ダラダラ食いや、夜食などは一般に脂肪になりやすいです。通常の 生活サイクルをしている方なら「夜九時以降は何も食べない」というルー ルを確立するだけでもかなりのダイエット効果が得られるはずです。

(1999-07-21)(2000-08-17一部加筆)


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