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滋賀銀行巨額横領事件(1973)

1973年10月21日、滋賀銀行山科支店のベテラン行員・奥村彰子が4億8000万円という巨額のお金を横領していたことが発覚し、逮捕されました。その後奥村が横領していたお金は5年間で全部で約9億円にも及ぶことが明らかになります。これは現在でも史上最高額の銀行横領事件として戦後史にその名前を残しています。

奥村は恋人のタクシー運転手・山県元次にその金を貢いでおり、山県はその金をほとんどギャンブルに使ってしまっていました。当然山県も一緒に逮捕されています。山県は既婚者でしたが、奥村はそのことを知らなかったといいます。

銀行の横領事件というと1981年に発覚した三和銀行茨木支店の伊藤素子とその恋人の南敏之の事件が有名なのですが、そちらは1億2000万円です。伊藤素子の場合は架空の口座を作ってそこにオンラインで振り込む操作で横領をしていましたが、奥村の時代はまだそういう時代ではなく、偽造伝票による出金を重ねていました。

こういう事件は、青森住宅供給公社で14億を横領した千田郁司の事件にしてもまた大和銀行ニューヨーク支店で1000億円の損失を出した井口俊英の事件にしても、そこまで大きな額になる前に、なぜ監査などで分からなかったのかということが、最大の問題でしょう。

一般に銀行では行員の不正や癒着防止のため、短い期間で転勤をさせていますが、滋賀銀行事件の場合は、その転勤と転勤の間のできごとであったようです。

そしてこの手の銀行での横領事件は額こそ小さいものの、毎年のようにどこかで発生しています。エド・マーフィーは「ミスする可能性があれば必ずミスは起きる」と言いましたが、こういう事件の報道を見ていると「不正が可能なシステムの元では必ず不正は起きる」と言わざるを得ない気がします。この手の事件の防止には、何か新しい発想が必要なのかも知れません。

大和銀行事件の場合、その損失がきっかけで(正確には上層部がそれを隠蔽しようとしたことが発覚したため)大和銀行はアメリカからの撤退命令を受け、国際業務の資格を失って、あさひ銀行との統合への道を進んでいきました。会社を作るには多数の人の協力が必要だが、潰す時はひとりで潰せるという典型ともいえますが、やはり「なぜそこまで行く前に止められなかったか」という問題に尽きます。


(2004-10-20)

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