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トルコ風呂第1号店(1971)

現在では「ソープ」と改名された「トルコ風呂」の第一号店は1971年2月6日に雄琴温泉にオープンしたのが最初とされます。東京の吉原は別格として、滋賀県の雄琴は1970〜1980年代頃は「東の雄琴・西の嬉野」として佐賀県の嬉野温泉と並ぶこの手の営業形態の店が多い町として知られていました。この手の店で働く女性たちも、最近では割り切っている人が多いようですが昔はいろいろと悲劇的な話を耳にしたものです。

諸外国では売春営業は酒場形態と合体しているものが多く、その筋に詳しい人によれば「外国の酒場は値段が高くて女の子がいてセックスOKの店と、女の子は置いてなくて安い店に分かれている」ということだそうです。日本のキャバレー・クラブなどのように、やたら高いのに女の子にタッチするのも原則禁止で、一緒に店を出てもタクシーに同乗まではしても何もないまま「じゃサヨナラ。楽しかったわ」などというのは、外国人には理解できないシステムであるともいいます。

私の友人の男性も某近隣国に行った時お酒を飲みに手近な店に入りそろそろ帰ろうかと立ち上がったら、もう女の子が付いてくる態勢で、それで初めて気づいて「いや、別にそのつもりはないのだけど」と言ったら、向こうは想定外のことで大騒ぎになったという話でした。結局少し通常料金より割安にしてもらったそうです。

日本では江戸時代、江戸の吉原などのように公認された売春地区がある一方その他の地区では基本的にこのような営業行為は禁止されていたのですが、それでも岡場所・水茶屋・船宿などでの非公認で安い店が多くありました。そしてむしろ吉原などはお金持ちがとんでもない料金を払って遊ぶ場所ということになっていました。そのため吉原の遊女の教養は高く、高い芸能技能も持っていて、それは大きな文化の拠点にもなっていました。そこへ来る客の客層から考えても、そこではむしろ性行為は付け足しの部類で、どちらかというと会話を楽しんだりすることが主目的。そういう意味では現在のキャバレー文化のルーツのひとつなのかも知れません。(キャバレーは一般には平安時代の宮廷の接待所がルーツと言われる。これは女性がお酒を出して接待するが、基本的に女の子へのタッチは不可だったらしい)

終戦直後、日本政府はやってくる進駐軍に一般の女性が暴行されるのを少しでも防ごうと、ボランティアを募って米軍兵士用の慰安施設を作りますが、GHQは直ちに全兵士にこの施設への立入りを禁止すると共に、政府に公娼制度を全て廃止するよう求めました。

このため基本的に日本国内の売春行為は全て非合法となったのですが、その時に生まれたのが「赤線」「青線」です。これは決して公開されたものではなかったのですが、警察内の地図の上で赤い線・青い線で囲まれた地域で、赤線の中は警察が黙認している売春地帯、青線の中は黙認はしていないけど実際には売春行為が行われている地域ということになっていました。それがどの区域であるかは、多くの人が知っていました。

しかし戦後誕生した女性の国会議員などを中心に女性の権利を回復する立場から売春を禁止する法律が策定され、1956年ついに画期的な売春禁止法が制定されます(翌1957年施行)。これによって赤線・青線も消滅し、全ての売春営業は禁止されるのですが、概してこの法律は「ザル法」と言われています。個人的な恋愛まで禁止することはできない、という言い訳が堂々と横行して現在に至っていますが、確かに表立っての売春営業はできなくなりました。代わって色々と登場してきたのが、世界にも例を見ない「風俗」という営業形態です。

売春防止法で禁止しているのは「対償を受け又は受ける約束で不特定の相手方と性交する」行為で、この「性交」という単語は日本の法律解釈上では、男性の陰茎の先端が女性の膣口を通過することとされています。従ってそれをしない限りこの法律には違反しないということになります。

現在巷にあふれている性風俗でおこなわれているのは最もディープなのが素股とアナルセックスですが、もっと一般的なのは、口や手で行かせる方法です。しかしそういう直接の接触を伴わない形態も人気があります。昨年の新宿の火事で多数の死者を出した店の場合は、(双方服を着たまま)女の子が座っている客の男性の上にまたがって腰を動かすだけで、こういう形態は、客の側も罪悪感があまりなく、働いている女性側も体を売っているわけではないという気持ちから抵抗感が少ないようで、繁盛しているようです。

だいたい現在行われている性風俗を大別すると次のようになります。ただしこういう分類はどんどんお互いに判別不能になりつつあるようです。

ピンサロ たくさん人がいる中で、男性の客はズボンだけおろして手や口でせめるもの。1回のサービス時間帯の中で女の子が交替する「花びら回転」はこの系統の店が始めたものと思われる。

性感マッサージ 本来は女性がキャミソール姿でサービスする店で、前立腺マッサージを行うことからこの名前があるが最近は直接性器への刺激も取り入れている所が多いらしい。

ファッションヘルス 個室で女の子とお酒を飲み歓談し、シャワーを浴びた上で口と手でせめるもの。ファッションとは性感マッサージがテクニック重視なのに対して、こちらは女の子の容貌重視路線ということ。

性感ヘルス 性感マッサージとファッションヘルスの中間路線と思われるが最近では事実上判別不能らしい。

イメクラ 1990年頃から登場してきた新しい形態で、コスプレにより仮想のシチュエーションでのプレイを行うところ。

マントル・ホテトル マンションやホテルの一室やを使用したもの。地下に潜っているため実態の把握は不可能。ホテトルの中には客が元々泊まっているホテルに出向く所もあり、その形態は次項と区別不能。

デリヘル・デートクラブ 客の自宅や泊まっているホテルに出張してサービスするもの。細かい好みに合せた女の子を用意していて、やってきた女の子が好みでない場合チェンジ可能。1999年の風営法改正で届出制になった。サービス内容は店によるが本番は含まれていない場合が多い。最近はイメクラ的要素が強くなってきているとも。

SMクラブ SM行為を主とするものだが概してMの男性客がS役の女性スタッフに従属プレイをするものが多い。

ニューハーフヘルス ニューハーフの人がサービスをしているもの。売春防止法の規定に縛られないので自由なプレイが可能なのが特徴。しかし竿有のスタッフとの逆アナルプレイ、女性客との本番行為なども見受けられるらしい。サービス内容は店により相当違うもよう。

直接性器への接触がない形態の店 前述新宿の問題の店のようなタイプのサービスをする所。また紙製の服を女の子に着せて客に破らせる所、国会や芸能界まで騒然となったノーパンしゃぶしゃぶ、単に薄着や上半身裸の女の子が給仕していてタッチは不可の所など色々な形態があります。多分この手のルーツは1980年頃に登場したノーパン喫茶か?

そして、ソープですが、基本的には特殊な形態の浴場営業ということになっており、基本的にはサウナを装備していることとドアに窓があることが条件ですが実際サウナを使う客は皆無とのこと。室内の行為まで店は知らないというのが建前ですが、一部のぼったくり店を除いては、本番(性交)まであるのが基本です。そこで「入浴料」をフロントに渡し「サービス料」を女の子に渡す方式になっているものが多いそうです。女の子の取り分は昔は半々から3分の2と言われていましたが、近年不況のあおりで料金をさげている所が多く、値下げ分はふつう店の負担なので8〜9割が女の子の取り分になっている所もあるそうです。

浴場の分類なので、保健所の管轄で、保健所では基本的に新規の届け出は認可しない方針らしいのですが、既存店の支店を出すといった形を取る、抜け道が横行しているとのことです。ただし営業可能な地域は各地区ごとに厳しく定められていて、地域外での出店は不可能です。

経営者には現在3パターンあり、古くから代々こういう営業形態をしている所、長くソープ嬢として働いていた人が、お金をためて独立し、自分の店を持ったところ。こういう店は概して、女の子の教育がしっかりしていて技術が良いらしいです。そしてもうひとつが他の風俗営業から転換してきた所です。しかし逆に、ソープでは単価が高くて客が集まらないとしてソープからニューヘルスに転換する所も多いといわれています。料金は以前は3〜15万円くらいと言われたのですが、不況のせいで1万円のソープというのも登場しているようです。

ソープで行われるプレイは、即尺から泡踊り、スケベ椅子、マットプレイ、そしてベッドでの本番などといったもので時間的には1〜2時間ですが、低料金の所の場合は途中が省略され時間も30分くらいの所もあるそうです。一時期はソープの名物ともいわれた穴の開いたスケベ椅子は最近は少なくなってきたという話もありますがよく分かりません。

働いている女の子側の事情ですが、昔のように悲壮感のあるケースは本当に少なくなっているようで、現代では援助交際などにも象徴されるように売春というのは女性の権利の保護という観点では捉えられなくなってきています。ソープの場合、概して普通の風俗店で働いていたのが、もっと稼ぎたいということで、こちらに移ってくる場合が多いといいます。風俗の女の子達がひとつの店に短期間しか勤めないケースが多く、概して「上手でない」ことが多いのに対して、ソープは他の風俗店に比べると定着率が高いともいわれ、技術的に高い子もいるそうです。それでもやはり体力を使う仕事ですので、1年程度でやめる人が多いともいいますが、中には何年も続ける人もあり、また概して経験が長くなると次第に地方に移動していき、ある程度の年齢になると自分の故郷に近い(正確には微妙に距離がある)歓楽街で働く人がよくあるといいます。ということで田舎の温泉場などになるとこの道40年・50年などというベテランの泡姫様もおられるとか。。。

なお、男性客に女性スタッフがサービスする営業形態が多く、女性客に男性スタッフがサービスする形態の店が少ないのは、社会的にお金の自由の利く人に男性の方が女性より多いという問題と、女性の客は不用意な妊娠を恐れてこういう所に出入りしないという問題がありそうに思われます。男は愛と性が別だが、女は連動しているので愛のないセックスは楽しくないという説もありますが、それは私は俗説ではないかと思います。

昔は性的なクライマックスを知らない女性が多く(要するに下手な男が世の中多い)わざわざお金を払って何をするのさ、という人も多かったようですが、最近は雑誌やネットでの情報交換により、女性でも充分快感が楽しめるのだということを知る女性が増えて、次第に女性客向けの店の率も増えてきているのではないかと思います。しかしそれよりも男達も、もっと普段のナイトライフの中で奥さんや恋人をもっと楽しませてもらいたいものです。

(別にこういった店を増やせといっている訳ではありません、念のため)

売春営業というのはある意味では消していくべきものなのかも知れませんが、アメリカの禁酒法のように、人間というものはあまり厳しく枠をはめようとすると、かえって良くない反発が生まれます。全ての人が清廉潔白であればこの世は平和なのかも知れませんが、清廉潔白を強要すれば我慢できなくてもっとひどいことを始める人もあります。基本的には違法だが、度を過ぎないものは黙認されている。そして妻や恋人のいる男性がこういう所に行ったらその妻や恋人から最悪愛想を尽かされる、という今の日本の状況などが、比較的妥当な落し所なのかも知れません。


(2002-02-06)

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