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心への旅(10)元型:グレートマザー

これも分かりやすい元型でしょう。母なる存在です。全てを優しく包み込む
存在。しかしマイナス面が強くなると、包み込むというより飲み込む存在と
なってしまいます。

優しく包み込むという側面では、西洋なら聖母マリア、日本なら観音菩薩の
ようなイメージでしょう。飲み込むというイメージでは西洋ではヘンゼルと
グレーテルに出てくるような魔女、日本なら鬼子母神のような存在でしょう。

包み込むというのと飲み込むというのが同一直線上にあると言うと首をかし
げる方もあるのですが、要はどちらも囲い込みの動作ですね。ただ包み込む
のなら本人は個人として存在していますが、飲み込まれてしまうと母の中に
同化してしまいます。日本ではけっこう精神的に母親に飲み込まれてしまっ
ている男の子というのがいそうです。

グレートマザーはまた、母なる自然を表わすような存在としても夢の中に現
れます。大地・海・森などはその象徴となり得ます。海に飛び込んで自殺し
たりするような行為は大いなる母への回帰という快感が存在するのかも知れ
ません。

グレートマザーの対でグレートファザーという元型も存在はするようですが、
あまり登場しないようです。日本の社会精神構造において天皇というものの
占める位置はグレートマザーではないか、という説もあります。

何のマンガか忘れたのですが多分オカルト系のマンガで、断崖から飛び降り
て自殺する少年を写した写真に、海から迎えようとする大きな女性が写って
いる写真、というのが出てきたことがありました。その少年を受け止める=
飲み込む存在はやはりグレートマザーでしょう。

その写真では崖が右にあって、左の方の海へ飛び込む構図だったと思います。
一般に夢などでは左へ進む動きは無意識の奥へと進む「退行」の動きです。
そのマンガを書いた人がどこまで意識していたのかは分かりませんが、心理
学的に見てもきれいな形が出ています。

話は少しはずれますが、タロットカードの「隠者」はたいてい左へ向って
歩いています。それは彼が世俗的なものを求めるのではなく、自己探求をする
求道者であることを示しています。


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