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心への旅(12)元型:トリックスター

昔話の中にはしばしば「トリックスター」と呼ばれる元型が登場します。よく
挙げられる例として頓知話として語られる「吉四六」や「彦一」があります。

吉四六(きっちょむ)にしろ彦一にしろ、殿様などを相手にずいぶん危ないこ
とをしながらも、うまい知恵で切り抜けていきます。ふざけた人物ですが彼の
行動の結果によりみんなの為になることが実現したりします。

トリックスターというのは、ある意味では体制の破壊者です。しかし破壊する
ことによって新しい価値観を生み出す創造者でもあります。彼のやり方がまず
ければ、彼は社会によって抹殺されます。きっちょむの場合も彼は何度となく
殿様に手打ちになりそうになります。

我々普通の人間が殿様に遠めがねと偽って竹の筒を売り付けたりしたら間違い
無く死刑になるでしょう。でも、それを切り抜けてしまうのがトリックスター
的なところです。

西洋の物語でトリックスターの例として有名なのはペローの「長靴を履いた猫」
でしょう。この猫もトリックにつぐトリックで、粉引き小屋の末息子をカラバ
公爵にまつりあげ、王女と結婚する所まで導きます。

トリックスターは神経症の治療などにおいても、病状の転換が起きる際に出現
することがあります。それはその人の内面的に現れるというより、むしろ他人
に投影された形で出現するのです。


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