サブリミナル広告

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これも有名な話です。1965年にアメリカのある映画館で上映する映画のフィ ルムの中に、ほんの何コマか「Drink Coca-Cola」「Eat Popcorn」と書かれ たコマを挿入して、上映したところ、休憩時間のコーラやポップコーンの 売上げが明らかに伸びたというものです。

映画のフィルムは1秒間に24枚のコマをスクリーンに映し出しています。
その中に1枚、関係ないコマがあったとしても普通に見ている限り、その コマに気づくことはありません。しかし人間の目は1/100秒の動きまでは 捉えられるといいますので、目のレベルではしっかりこれを見ています。

しかし一連の映像と無関係の映像なので人間の頭はこのコマを無視している。
しかし無視はされていても、ちゃんと作用はしていて、それが休憩時間に コーラでも飲もうかな、という行動に結びつくという訳です。

この報告に関しては実験室で追試を試みた人たちの結果があまり良好ではな かったため、効果に否定的な意見もあるのですが、やはり効果は出ていると いう意見も根強いものがあります。

「刑事コロンボ」では犯人がこのサブリミナルを利用して被害者を映写室の 外におびきだし殺害するというトリックが使われたことがあります。そして コロンボは犯人が証拠の品を隠しだした場所を調べるのに犯人にまたサブリ ミナルのフィルムを見せるというのがありました。

このサブリミナルを使った広告はこの1965年の報告のあとかなりの論争にな り、結局アメリカではこれを禁止する法律ができたようです。しかし、問題 意識の少ない日本では、今のところまさに野放しです。

こういうサブリミナル広告の問題ではWilson Bryan Keyの名著「メディア・ レイプ」(原題:The Age of Manipulation - The Con in Confidence,the Sin in sincere)にご登場頂くのが良いでしょう。リブロポートから日本語訳が 出ていますが(鈴木晶・入江良平・共訳)、現在は残念ながら絶版になってい るようです。図書館や古本屋さんで探してみましょう。

この本では町にあふれている多数のサブリミナル広告を告発しています。
少し例をあげます。

選挙のポスター ポスターというものはドットの集まりで印刷されているが、ある候補者 のポスターではその小さなドットの中に S E X という小さな文字が混入 していた(キリンビールのラベルの麒麟の絵に隠れているキ・リ・ンの 文字みたいなもの)。このポスターが多くの候補者のポスターの中に 並んでいると、意識のレベルでは気づかないものの人間の目はこの小さ な文字をしっかり捉えて、結果的にそのポスターに目をやってじっくり 見る、という行動を取ってしまう。

不思議なモデル その若い男性向けファッションの広告は、一見可愛い女の子のモデルが ボーイッシュに男の子の服を身につけているように見えた。ところが、 何かあると感じてそのモデルの体形を定規で測ってみた。その結果この 体形は間違いなく、男の子の体形であると結論づけられた。つまりこの 写真は実は男の子のモデルに女の子っぽいメイクを施し、更に男の子の 服を着せていたのである。この二重の性転換が意識にまではのぼらない ものの人間の目に小さな違和感を感じさせ、その写真に注視させたので あった。

サブリミナル広告の問題はその効果がどの程度あるのか云々よりも、多くの 人々が、自分が知らない間に勝手に操作されてしまっているというところに あります。例えば、どこかの放送局が毎日サブリミナルで「ヒットラー万歳」
などと流し続けていたりしたら、などと考えると、とても怖いですね。


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