よくきく怪談

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現代でもよく聞く怪談というのがあり、都市伝説化しているものもあります。その内いくつかをあげてみましょう。

タクシーの怪

深夜タクシーが女性の客を乗せ、どこかの家まで行ったところ「お金を取って来ますので」といって中に入って行った。しかしなかなか出てこないので玄関まで行って呼び鈴を鳴らすと、そんなのは知らないと言われ、どんな人だったかと聞かれて女性の特徴を言うと「それは1年前に死んだうちの娘だ」といわれる。

家まで行かずに途中で消えてしまうというパターンもあります。そして座席のシートはびっしょり濡れていたとか、そのタクシーの運転手は40度の熱を出して寝込んでしまった、とかも言われます。また女性を乗せた場所は事故の起きた場所であったり、墓地であったりします。

この怪談のルーツは「真景累ヶ淵」で豊志賀の幽霊が駕籠に乗った話ではないか、と藤子不二雄氏は「エスパー魔美」の中で述べています。

今度は落とさないでね

夫婦に子供ができたが美しくない子であったため、その子のことを嫌い、ある時連絡船に乗った時に甲板から突き落として殺してしまった。それは事故として処理された。数年後また夫婦に子供ができたが、こんどは美しい子であった。そしてある時その子と一緒に連絡船に乗り、甲板に出ていたらその子が突然こんなことを言った。「ママ、今度は落とさないでね」

このパターンの怪談は小泉八雲も報告していますが(「知られぬ日本の面影」)、そこでは殺す理由は貧乏なためということになっています。それが時を経て現代では美しくない子だから、というように理由が変更になったのでしょう。

未来の夫

満月の夜十二時に月が映った水面に包丁をくわえて自分の顔を映すと未来の夫の顔が見えるという伝説があった。ある娘がそれをやっていたら、うっかり包丁を水面に落としてしまった。数年後、娘はお見合いをした。非常に素敵な男性であったが、首に大きな傷跡があった。「どうなさったんですか?」と聞くと男性は「お前のせいだろう」と言って娘に飛びかかり、殺してしまった。

話ができすぎていて、いまどきこのネタでマンガも描けませんが、ちょっとぞっとする話です。「殺してしまった」の部分は蛇足のような気もします。

繰り返される時間

これは都市伝説というよりも、実際に経験している人がかなりいるようです。これは電車に乗っていて、今すぎたはずの駅にもう一度ついてしまう、というものです。さっき降りたはずの人が降りるのをもう一度見た、という例もあります。また同じ時報を2度聞いたというのもあります。パチンコ屋で9時の時報を聞いて「帰らなきゃ」と思って家に帰りテレビをつけたら、また9時の時報だった、といった例です。

逆に時間が飛ぶこともあります。会社からごく普通に帰ってきてどこにも寄り道しなかったのに、普段より3〜4時間よけいにかかっていた、とか、駅を出た時に時計をみたら7時で普通家まで10分もかからないのに、ぼんやり歩いていて、家についた時はもう10時だった、などといったケースもあります。

私も駅で電車を待っていて、確かに電車の到着5分前を時計で確認してから「遅いなぁ、まだ来ないのかな」と思っていたら、いつの間にか20分すぎだったということがありました。電車は出たあとで仕方なく次の電車に乗りました。この時、もちろん眠ったりはしていません。

知らない場所

これも体験者が多いようです。大雨で各地で交通機関の運休があいついでいる、という時に念のためと思い駅に行ったらたまたま列車が出るところだった。それに飛び乗って家に帰ったが、家につくと「どうやって帰ってきたの?」と聞かれる。電車で帰ってきたというと、今日の午後は全部運休していたはずなのに、と言われる。

仕事で書類を届けに町に出た。しょっちゅう行っているところなのに何故か迷子になってしまった。歩けども歩けども、全然知っている場所に出ない。どうしよう、と思ってふと気が付くと、目的地の近くに居た。ここでよく考えてみると迷っていた間にすれ違った人たちが昭和40年代頃のはやりの服を着ていた、などというオチがつくケースもありますが、そこまでいくとやはりオチのような気がします。

奇妙なバスに乗り合わせて、あんまり気味が悪いので途中で降ろしてもらったが、よく考えてみるとそのタイプのバスはとっくの昔に走らなくなっていたはずだ、とかいうのもあります。人は何かの拍子に異界に迷い込んでしまうことがあるようです。

自分とすれ違う

これはもう50年以上前の話ですが、私の祖父が体験したものです。当時祖父は大分の耶馬渓の山奥に住んでいましたが、ある夜、道を提灯を持って歩いていたら向こうから自分と全く同じ姿をした人が歩いてきたそうです。きっと狐か何かが化かしているに違いないと考え、気をしっかり持ってすれちがったそうですが、あとで考えてみると相手の着物の前が逆合わせになっていたと言っていました。

古事記・日本書紀で描かれている雄略天皇の一行が山で自分たちとそっくりの行列に出会ったという話も、元はこの手の怪異であったのかも知れません。

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