(01)リフトとロープーウェイ

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ひじょうに唐突なのですが昨日「ゴンドラ型でなくて座って乗るタイプのリフト」 はあれは何と呼ぶんだっけ?というのを調べていたら、意外に分からず、かなり 長時間かかってしまいました。結果的に色々な概念を学ぶことできたのですが、 私自身忘れないうちに、この場を借りて少し整理させて頂きたいと思います。

まず問題のリフトは「チェアー・リフト(chairlift)」で良いようです。その まんまの名前ですね。一人乗りはsingle,二人乗りがdouble,四人乗りがquad, 六人乗り,八人乗りのeight-seater chairくらいまであるそうです。

これを調べている内に「Tバーリフト」というのが多数出てきたので、どうい うのだっけ?と思ったら、ロープからぶらさがっている棒を背中に当てて登っ ていく、滑走式のものでした。正確に言うと、2人用の⊥のような形をした ものが「Tバー(T-bar)」で、一人用の跨いで乗るものを「Jバー(J-bar)」、 同じ一人用でお皿の形のもので押されるタイプを「プラッター(Platter)」と 呼ぶようです。更にはロープだけがあって掴まって登っていくタイプを 「ロープトウ(rope tow)」というようです。

またこういうリフトやロープーウェイの類は構造的に色々分類できることも 分かってきました。まず動き方として、往復するだけの交走式(Reversible)と ぐるぐる回っている循環式(Cyclic)があります。観光地のロープーウェイは たいていが交走式です。上にいるゴンドラと下にいるゴンドラにそれぞれ人が 乗ったら動かしはじめて反対側のターミナルに着いたら停めて乗ってきた人を 降ろします。

そしてまたお客さんを乗せて、今度はさっきと逆にロープを動かします。スキー 場のリフトはたいてい循環式ですが、稀に人があまり来ないゲレンデでは構造の 単純な交走式が設置されているところもあるそうです。なお交走式の中でキャリー が1個だけのものをto-and-fro,2個のものをjig-backと区別することもあります。

また循環式は、ターミナルの所でリフトがいったんロープから外れてゆつくり 乗り降りできる「自動式(detachable grip)」と、リフトがロープに固定されて いるので急いで乗り降りする必要がある「固定式(fixed grip)」に分けられます。
ゴンドラ型のものはたいてい自動式になっています。ただゴンドラ型で固定式で 運用する方法もあって、これはゴンドラの乗り降りの際にロープ全体の動きを ゆっくりさせるものです。これは乗っている最中に速度が変化するので脈動型 (Pulsed-Movement)というそうです。

なおこの手のものは総称して「索道(cableway,tramway)」というのですが、 ゴンドラ型のものを「普通索道」、リフト型のものを「特殊索道」と呼びます。
また、Tバー,Jバーなどのようなものが「滑走式(surface)」、チェア型や ゴンドラ型は「空中式(aeriel)」ということになるようです。

ほかに使用するロープの本数による分類もあります。ロープについてはリフト やゴンドラを引っ張るものを「曳索(haul rope)」といい、リフトやゴンドラ 支えるものを「支索(stationary rope)」といって、両者を兼ねているものを 「支曳索」といいます。

最も単純なタイプは支曳索1本だけで支えて動かすもので「単線式(Mono cable)」 といいます。これに対して、支曳索を2本使うものを「複式(double cable)」と いいます。最近はこの2本の支曳索を広く取り左右2本の懸垂機で支えるタイプ が安定性が良いことから好まれるようになり、「フニテル(funitel)」といいます。
なお支索と曳索が別々のものは「複線式(bicable)」といいます。日本ではまだ フニテルの導入が進んでいないため、長い距離のロープーウェイはたいてい3線か 4線の複線式(tricable,quadcable)になっています。

なお複式の中にはふたつの支曳索を同期させた(同期の作業はしばしば職人芸) ふたつのモーターで動かすタイプと1本のロープを二重(ふたえ)にしてひとつ のモーターで動かすタイプがあり、後者はLoopタイプと言うようです。

私が乗ったことのあるロープーウェイというと、長崎の島原・北海道の函館と 層雲峡・下関などの記憶があります。関東地区でも一度どこかで乗っている気 がするのですが、どこなのか分かりません。リフトでは青森に住んでいた時代 に近所のスキー場で動いていたものと、大分県耶馬渓の羅漢寺のリフトです。
羅漢寺のはチェア式ですが、青森時代のものが遙か昔なので記憶が曖昧ですが ロープにぶらさがっている棒のようなものを掴んで滑走式で登っていたような 気もします。このタイプは多分ハンドルトウ(handle tow)というものだと思い ます。ロープトウよりは少し使いやすいものですね。

もっともそこは小さなスキー場だったこともあり、当時はリフトで登るのは 怠け者とみんなで笑っていて多くの人が自力でスキーを履いたまま逆ハの字方 式で登っていました。私も一度だけスキー大会の主催者からチケットが支給さ れた時に使ったことがあるだけです。しかし大きいゲレンデになるとリフトが ないとなかなか充分な時間滑走が楽しめません。

日本で最初にスキー場に設置されたリフトは草津温泉スキー場のもの(1948)の ようですが、これは無認可だったらしく、正式の認可を取ったのは妙高高原 (1950)が最初だそうです。

一般のロープーウェイとしては日本で最初に営業運行されたのは三重県と和歌 山県の県境にあった矢ノ川峠(やのことうげ)の安全索道であったようです。
山ノ川峠は今も昔も難所ですが(旧道は10年前の台風で橋が落ちたまま復旧さ れていないらしく崖を上り下りしないと通行できないらしい)、道があまりに も頻繁に寸断されるので昭和2年に設置されたもので、最新鋭の自動循環式の ゴンドラを使用していました。二人乗りで所要時間20分。最盛期には25個もの ゴンドラが稼働していたそうです。

その次くらいに古いのが、福岡市の愛宕神社の索道です。この神社には私も2度 登っていますが、凄まじい急斜面で最初に自転車で行った時は登るときはずっと 押して登り、降りる時はずっブレーキを掛けっぱなしで降りました。地図で見る と、この神社にまっすぐ登る道が書いてあり(この道は実際に行った時には見つ けきれなかった)、ここがその索道の跡なのかも知れません。この件、あとで 郷土資料などを探してみようと思っています。

なお矢の川峠の索道も愛宕神社の索道も、戦時中の電力不足のために運行停止 を余儀なくされ、戦後復活することはありませんでした。


(2004-01-16)


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